集合場所確認ツアーとかいうあれ
〈集合場所確認ツアー〉というけったいなものが盛況だと一昨日聞いたので、検索してみたのですが。
- 「なぜ大盛況? “集合場所確認”ツアーに参加した【前編】」 << 「日経トレンディネット」
全く意味が分かりません。
高齢者向けの「ひとり旅」ツアーを手がけるクラブツーリズムが、羽田空港や東京駅などの集合場所に迷ったりする客や、独りで集合場所にちゃんと行けるのか不安を訴える客が多いことから、この〈集合場所確認ツアー〉を発案した、と一昨日聞いたのですけれども、上記記事を読んでみたところでは〈《集合場所確認ツアー》の集合場所である新宿駅や上野駅〉にはみんなちゃんと迷わず来られるというのですから、ますます意味が分かりません。
東京圏の方なら分かると思いますが、新宿駅は乗降客数世界一として知られるだけあってでかくてゴチャゴチャですし、上野駅は(渋谷駅ほどの迷宮ではないにせよ)ややこしい造りになっています。むしろ東京駅のほうが(あくまでも新宿駅や上野駅に比べてですが)すっきりしていると思います。ましてや羽田空港なんか、ごくごく一般的な空港の造りをしていますし、案内所もちゃんとありますから、とても分かりやすいはずです。新宿駅や上野駅で迷わないのに、羽田空港や東京駅で迷うというのは、意味が分かりません。
羽田空港とは別の所になりますが、私が初めて成田空港へ行ったのは18歳の時でした。クラスメートがカナダへ行くので見送りに行こうという話が出まして、その時に言われた集合場所が「南ウイング4階、出発ロビー、○カウンターの辺り」という感じでした(当時の成田は第1ターミナルしかありませんでした)。成田空港に行ったことがなく、どういう構造になっているのかも知らず、案内図なども持っておらず、私はただ電話で「南ウイング4階、出発ロビー、○カウンターの辺り」と言われただけでしたが、普通に集合場所に行けましたし、ちゃんと行けるかどうかが不安ということもありませんでした。
もちろん、慣れない場所でちょっと迷うことはあります。けれども、駅や空港というのは案内表示が充実しているものですし、随所に構内図があるものですし、それでも分からなければ案内所などで尋ねればいいだけです。知的障害があるとか、パニック障害だとか、訳あって非識字者であるとか、何か特別な事情があるなら別ですけど、普通に日本語が読めて話せる人ならちゃんと目的の場所へ行けるはずです。
〈集合場所確認ツアー〉が盛況だというのが、私にはさっぱり理解できません。