他人の結婚についてあれこれ言うのは趣味のいいことではないと思っているので、あの夫妻についての記事は全く読んでこなかった(本当にこれまで一行も読んでいませんでした)のですが、ちょっとこの記事は見出しを見て流すわけにはいきませんでした。

SNSではザラの約6千円のバッグと推定されているようですね。

日本には大昔から清貧の思想なるものがあって、裕福でも質素倹約の生活を美徳とする風潮があります。はっきりいってこれは悪習ですから、いいかげんにやめたほうがいいと思いますよ。金を持っている人は、それなりに金を使うべきなのです。そうでなければ経済が回らず、世の中が動きません。

もし彼女の持っているバッグが、桁が1つ違って6万円程度のものだったら、彼女の立場にしてはやや控えめな物を選んだなと私も思ったでしょう。でも、6千円となると、私のバッグと変わらない値段に苦笑いするしかないですよ。もちろん彼女がどんなバッグを持とうと彼女の勝手であり、彼女の持ち物を批評するつもりはありません。ただ私が気になるのは、あのバッグを見て好感度が高いなどと言っている人たちです。それ、自覚がないのでしょうが、金持ちに対する妬みの裏返しでしょう。

昨日のNHK大河ドラマ「光る君へ」は、第11回「まどう心」でした。前回がキリのいい第10回で、一つの区切りになるのではという見方もあったようですが、確かにそうなったなというのが今回の感想です。

前回は、まひろ(紫式部)と藤原道長の逢瀬という大展開とともに、寛和の変という歴史的事件が描かれました。それに続く今回は、きたるべき道長と源倫子の結婚、藤原兼家の死、道長と中関白家の政争などなど次章へのつなぎとなっていた感があり、歴史上の出来事としては一条天皇即位ぐらいのものでした。

ただ、道長の求婚に対して、まひろが北の方でなければ嫌だと言ってしまうあたり、あの時代のあの身分の女性があの身分の男性との恋愛でそんなことを言うものだろうかとちょっと首をひねったものの、あれというのはまさに『源氏物語』で紫の上が北の方ではないという設定の伏線なのかもと思ったら、何だか納得できる脚本でした。「雀の子を犬君が逃がしつる」の若紫(紫の上)と同じく、逃げた鳥が縁で三郎(道長)と出会ったまひろですからね。そういえば、うろ覚えなのですが、紫の上が嫉妬しそうになる気持ちをこらえるような場面が『源氏物語』の中にあった気がするのですけども、その下地という意味も今回の「光る君へ」の逸話は持っているのではないかと思います。

いやぁ、毎回毎回すごい脚本ですね。とは思うものの、今回まひろが兼家に直談判に行ったというのはさすがにやりすぎだったのでは。

ところで、一条天皇の即位式を控えた高御座の生首事件、犯人は誰なのか兼家は知っていたようですが、誰なのでしょうかね。史実的には明らかになっていないようですけど、脚本としてはどういう筋書きにしているのか、今後明かされるのか、とても気になります。

典型的な、安物買いのなんとやらというやつですね。

全く役所の連中は、などと他人事にして笑っている場合ではありません。 Amazonで買い物をしようとして、最初の画面で目についたテキトーな安い商品に簡単に飛びつくような人も、いずれ同じ目に遭いますからね。というかもうすでにTemuとかで痛いm《略》

この媒体、まだ廃刊になっていなかったとはねぇ。

国歌を歌いたくないと言い張っても平穏に毎日を送ることのできる、世界的にまれな寛容さのある国に暮らせていて、よかったですね。

‥‥親子は外国にルーツがあり、これからのグローバル社会に「日の丸・君が代」強制は逆行している‥‥
[同]

こんなことを言うと、外国にルーツがある人たちがみな「君が代」に苦痛を覚えているかのごとく勘違いされ、外国にルーツがある人たちがみないぶかしげに見られるようになるおそれがあるので、やめておいたほうがいいのではないかと思います。

先日の記事で言及した、今アメリカで社会現象になっているドラマ「SHOGUN 将軍」について、ポリコレ屋らしき人が、この作品に黒人が登場しないのはけしからんなどと言い出しています。いえいえ、私は冗談を飛ばしているのでも話を大げさにしているのでもなく、本当にそんなことを主張している人がいるのです。本当ですってば。

歴史をここまで歪曲するなんて、K国人もびっくりという感じではないでしょうか。

「黒人たちはどこにいるのか」 (“Where are the Black people?”) なんていう意表を突いた問題提起()に対しては、当然ながら英語圏でも「アフリカにいるよ」とツッコミが入っています。記事を読み進めるほどに馬鹿馬鹿しくてだんだん苦痛になってきましたが、とりあえずひと通り読んだのでちょいちょい抜き出してみますね。

(1)
There's a Japanese proverb that says for a Samurai to be brave, he must have a bit of Black blood. If that's the case, FX's monster hit 'Shogun' has a lot of scared swordsmen
[Ibid.]
日本のことわざに、侍が勇敢であるためには少しの黒人の血が入っていなければならない、という。もしそうならば、FXの大ヒット「SHOGUN」に出てくるのはたくさんの怯えた剣士たちだ。
(2)
According to multiple sources, one of the early real-life Shoguns, Sakanoue no Tamuramaro (758–811), was Black, though denied by others. There is a consensus he was something other than pure Japanese, and he is often considered descended from the Ainu, the darker-skinned indigenous people of northern Japan who were subjected to forced assimilation and colonization.
[Ibid.]
複数の情報源によると、早い時代に実在した将軍の一人、坂上田村麻呂(758–811)は、ほかでは否定されているが、黒人であった。彼は純粋な日本人ではなかったというのが通説であり、彼はしばしば、強制的な同化と植民地化に従わされる以前の北日本の浅黒い肌を持つ先住民すなわちアイヌの、末裔であるとみなされている。
(3)
Many researchers have documented the suggestion of and existence of Africans in Japan, one dating back 22,000 years, near Osaka, where much of the Shogun series took place.
[Ibid.]
多くの研究者が、日本におけるアフリカ人の連想と存在を文書化していて、中には2万2千年前にさかのぼるもの、大阪の近くのものがあり、その大阪は「SHOGUN」シリーズの主な舞台となる地である。
(4)
Whether or not Sakanoue no Tamuramaro was Black won't be resolved here, but the existence of Black people in Japan in the period Shogun depicts is not in doubt. Black slaves and crew members accompanied the Dutch, Spanish, Portuguese, and French ships.
[Ibid.]
坂上田村麻呂が黒人であったか否かはここでは解決されないだろうが、しかし「SHOGUN」に描かれる時代の日本に黒人が存在したことは疑いがない。黒人の奴隷や船乗りが、オランダ、スペイン、ポルトガル、フランスの船の航海に付き従っていた。

まず (1) について。私は長らく日本で日本人をやっていて、日常生活に困らない程度の日本語は一応解しますが、書かれているところの「侍が勇敢であるためには少しの黒人の血が入っていなければならない」 (“for a Samurai to be brave, he must have a bit of Black blood”) ということわざは寡聞にして知りません。知っているという方がいましたら、ぜひ教えてください。

(2) と (3) は、少数説にすぎないものを「通説」 (“consensus”) と言ってみせたり、まともに相手にされていないトンデモ異説を「複数の情報源」 (“multiple sources”) によるものだと言い換えたりしているだけのものですから、どうでもいいです。たぶんせっせとネットでググって細かいネタを探してきたのでしょう。

(4) は一応、事実ではあります。1600年当時の日本には、イエズス会士や貿易商が連れてきた黒人の奴隷などがいました。少し前の時代に織田信長が取り立てた弥助という黒人家臣の話は有名です。とはいえ、石を投げれば当たるほど黒人がわんさかいたというわけではありません。1600年の日本には黒人がいたぞなんて言い出したら、それこそ現代の日本には当時に比べたらたくさんの黒人がいるので、日本を舞台にした映画やドラマのすべてには必ず黒人を登場させなければならないことになりますわな。アホか。

まあ、ポリコレ屋の連中の言うことをいちいち聞いていたら、そのうち、タヨーセー屋もしゃしゃり出てきて『リトル・マーメイド』のノリで虎永を黒人にしろとか、さらに鞠子をトランスジェンダーにしろとか、いろいろ話がおかしくなってきそうですね。無視しておくのがいいでしょう。