悪いことをする奴、問題を起こす奴といえば、だいたい体育会系と相場が決まっているというのが私の認識なので、高校野球部で不祥事があったという話を聞いても特に驚かないのですけど、広陵高校(広島)の事件はさすがにただごとではないと思います。

まず内容が、被害者側の話によれば、数日にわたり殴る蹴る、熱湯をかける、風呂に沈めるなど、本人が命の危険を感じたと言うほどすさまじいもの(被害届を警察が受理済み)というのが、常軌を逸しています。真面目に山岳ベース事件を思い出しましたよ。もちろん、被害者側の言い分はあくまでも片方の主張ということでとどめるべきではありますが。

また、この事件について学校が公表している概要では、頬を叩くなどの暴力という程度の表現になっているのが、あまりにもふざけすぎています。別件でもかなりえげつない被害証言が次から次へと湧いて出てきているようですし、そんな軽い話で終わるものとはとうてい思えません。

そして、学校ぐるみで事実を隠蔽し、高野連にもアレな報告で済ませ、被害者が転校して野球をあきらめなければならなかった一方で加害者たちがしれっと甲子園に出ているとは、一体どういうことなのでしょうか。これまで過去に、野球部員の一人二人が喫煙したとか、部と関係のない生徒がどこかで問題を起こしたという程度で、甲子園出場辞退となった学校の関係者たちは、この状況をどう思っているでしょうか。

広陵高校の事件は、被害者側から言われている内容が事実であれば、甲子園出場辞退とか一定期間対外試合停止とかで済むものではなく、野球部廃部が妥当です。だってこれ、不祥事というレベルではなくて、きっちり犯罪ですよ。殺人未遂に近いですから。

それと──こういう問題って広陵高校だけでしょうか。広島だけでしょうか。野球部だけでしょうか。ねえ、どうですか、全国の体育会系のみなさん。