共産党埼玉県議団が水着撮影会騒動のきっかけとなるこの記事をTwitterに投稿してから、1カ月がたった。

その後、県営公園プールを管理する県公園緑地協会が6月9日、水着撮影会を即時かつ永久に中止することを決定、発表してしまう。翌日と翌々日(10日、11日)に開催予定だったものも含めてである。

そんなめちゃくちゃな話があってたまるかと多数の批判の声を受け、県は事実関係を確認した上で、水着撮影会を中止させることは適切でないと判断し、中止を撤回すべきであると公園緑地協会に指導した。同協会が水着撮影会中止を発表した9日は金曜日で、県が事態収拾に動いた10日と11日は土曜日と日曜日であった。県知事と県庁が週明けを待たずにただちに手を打ったことからも、県としては非常にまずい事態であると認識したことは確かである。何が非常にまずいのかといえば、私もさんざん書いてきた通りだ。すなわち、県および県指定管理事業者が、非常事態でもなく緊急性もなにもないのに、不法な手段をもってあからさまに国民の人権を踏みにじり財産を害する措置をとってしまったことなど一連の問題が、である。

このように、県はそれこそ休日を返上して事態の収拾に動いた。そうしなければならないほどの重大な事案だったからだ。

さて一方、騒動のきっかけを作った共産党はどうであったか。そう、最初にぶち上げた狼煙からこのかた1カ月、党機関紙『しんぶん赤旗』に〈手柄自慢〉の記事を載せた以外には、全く何も発信していない。党県議団は公式サイトから電話番号やメールアドレスなどを削除し、事務局にかかってきた電話にも議員は出ず、ひたすらほとぼりが冷めるのを待つという国民を愚弄した態度をとり続けている。折しも6月19日からは定例県議会が開かれており、23日から29日まで一般質問があったが、登壇した共産党議員は話題の水着撮影会の件には一言も触れなかった。むしろ他会派の議員がこの件に触れ、県と公園緑地協会とのコミュニケーションに問題があったのではないかと知事に問いただしていた。

そして、なによりも不気味で恐ろしいのが、共産党内から党県議団の振る舞いに対する批判の声が一切聞かれないという点だ。本当に全く聞こえてこない。私の認識では、そのような性質は政治団体というよりカルト集団のものである。もしこれが自民党県議団のやらかしたことであれば、自民党内からも批判の声があがるであろうことは容易に想像できる。ところが、共産党員は誰ひとりとして、党が〈水着撮影会のごとき低俗でけしからんイベント〉を民主的手続きによらず不法な圧力でつぶすという明らかな人権侵害を行うことに、疑義を呈しないのだ。実に不気味で恐ろしい。ならば〈共産党のごとき危険でけしからん団体〉も国家が超法規的に弾圧してかまわないことになるが、それでよいのだろうか。

このような事実をもってすれば、共産党について〈国民の人権を踏みにじり生命と財産を脅かす、国家と国民の敵〉との評価を下すことに何ら間違いはないと断言できる。さすがに国家が強権をもってつぶすべきだとは言わないが、正当な選挙という民主的手続きによって政治の場から排除されるべき存在であることは公言する。これは誹謗中傷のたぐいではなく、事実を踏まえた上での正当な評価だ。もし違うと言うのなら、共産党はさっさときちんとしたコメントを出すなりなんなりしてケリをつけたらどうなのか。県が週末返上で動いたぐらいのことを、共産党もやってみせたらどうなのか。ダンマリを決め込んでほとぼりが冷めるのを待つなど、とうてい公党の姿勢として許されるものではない。

世間の話題に上らなくなったからといって、共産党が政治権力・影響力の刃を国民に向けてきた事件を国民が忘れたわけではないので、共産党員どもは勘違いすべきではない。