予告済みの緊急事態
今日、7都府県に緊急事態宣言が発出される見込みです。発出が先に予告される緊急事態宣言というのは世界的にもまれでしょうね。
ところで、この緊急事態宣言を、立憲民主党は前々から急かしてきたと、同党の枝野幸男氏が言っています:
緊急事態宣言について報道が相次いでいます。
— 枝野幸男 りっけん 立憲民主党 (@edanoyukio0531) April 6, 2020
私たちは2月から緊急事態の宣言を求めてきました。遅きに失したとはいえ、宣言に向けた動きは歓迎します。
しかし知事の要請・指示で営業停止した場合等、宣言すると、事業主による従業員への休業手当支払い義務がなくなるという指摘があります。→ https://t.co/zwCXnGgaMz
なるほど、立民党は2月から緊急事態宣言を求めてきたそうです。
ちなみに「知事の要請・指示で営業停止した場合等、宣言すると、事業主による従業員への休業手当支払い義務がなくなる」というのは、内幸町媒体の虚報です。
ところで、枝野氏は3月にこんなふうにツイート:
1.現状は、緊急事態宣言の要件を満たす状況ではなく、緊急事態宣言を出さなくてもいいように押さえ込むことが政府の責任である。
— 枝野幸男 りっけん 立憲民主党 (@edanoyukio0531) March 5, 2020
2.万が一緊急事態宣言を出す場合には、国会に対し、事前に、その必要性についての科学的根拠や、解除する場合の要件などを報告し、その質疑を行う必要がある。⇒
おや? 「2月から緊急事態の宣言を求めてき」たんじゃありませんでしたっけ?
さすがにツッコミが多かったので、慌てて苦しい言い訳を始めました:
正確には、2月から「緊急事態の制度も含め、その宣言も視野に新型インフルエンザ等対策特別措置法の適用を求めてきた」と言うべきでした。お詫びして訂正します。 https://t.co/18DP0M91p0
— 枝野幸男 りっけん 立憲民主党 (@edanoyukio0531) April 6, 2020
確か2月には野党どもは〈桜騒動〉でうるさかったはずですが。私も記憶があやふやだったので、一応確かめてみました。
[3月]4日の参院予算委員会で、野党議員の発言にネット上で批判の声が高まった。立憲民主党・福山哲郎幹事長が安倍晋三首相へ新型コロナウイルス拡大防止策等をめぐる質疑をしたが、深堀りで質問を重ねることなく『桜を見る会』問題へ質問を変える一幕があったのだ。 ─(略)─ 「総理、嫌でしょうが、『桜を見る会』について質問します。時間が余ればコロナ対策もやります。前夜祭についてうかがいます。安倍事務所がホテル側とサービスの詳細、契約内容などの詳細を事前にホテルと詰めたということ。それでよろしいですね?」
これについては福山氏もあとから言い訳していますが、言い訳になっていないのでどうでもいいです。
最近繰り返し言っていますが、〈安倍をたたけるなら何でもいい〉という根性を行動原理にしている人たちは、こうなってしまうのです。もし3月頭の時点で政府が〈布マスク2枚〉策を発表していたら、野党どもはそろって新型コロナウイルス問題一色に塗り変わっていたと思いますよ。もっとも、それでもどうせ中身のある言葉は吐けなかったでしょうけどね。
さて、緊急事態宣言が出されても、仕事はできますし食料品や日用品の買い出しにも行けますし、私の生活にはほとんど影響がなさそうです。変わらずしっかり手洗い励行でいきますよ。
緊急事態宣言準備着手
安倍首相は5日、新型コロナウイルスの感染者急増を受けて緊急事態宣言に踏み切る意向を固め、政府は準備に着手した。改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づくもので、対象は東京都を含む首都圏などを検討している。首相は宣言を出す方針を6日にも表明し、早ければ7日に宣言する。
緊急事態宣言の準備に昨日着手し、宣言方針を今日にも表明、早くて明日に宣言を出す、などというあまり緊急性を感じさせない緊急事態宣言が現実味を帯びてきました。
諸外国の例からみて緊急事態宣言といえば、政権がスパッと即刻出すものという印象があったのですが、日本の場合は何日もかけてタラタラとやるわけです。これは別に政権が無能だからではなく、本当に緊急の緊急事態宣言を出せるようになっていない法制度のためです。
政府が本当に緊急の緊急事態宣言を出せない仕組みになってしまっているのは、例えばこんなことを言って邪魔する人たちがたくさんいたからです:
緊急事態宣言は大問題。豊中市議の木村真さんたちは森友問題の集会を公園で開こうと市に申請し承認されたが市は取り消す。取り消しの取り消しを求めて提訴。市は公園を使ってもいいとした。緊急事態宣言で公民館や公園も使えないとなると森友問題や政府のコロナ対策が問題だという集会が開けなくなる。
— 福島みずほ (@mizuhofukushima) March 27, 2020
非常時に対応する仕組みを、平時の論理で考えるから、こういうトンチンカンなことになります。いわゆる平和ボケというのは戦争関係だけの感覚ではないのですよ。
さて、ゆるゆると準備されている緊急事態宣言が明日にも出されるような雰囲気になってきましたが、実際のところ、これで何かが大きく変わるのでもなさそうなのですよね。宣言が出されることによって、政府は外出自粛を要請したりできるようになるのですが、これはすでに都道府県レベルで行われています。ホテルなどを患者収容施設として提供することも要請できるようになりますが、これもすでにアパホテルなどが手を挙げています。なお、インフラや物流に大きな制限がかかるわけではないので、買いだめ馬鹿が発生しない限り日常的な買い物にも差し支えはありません。
つまり、改めて緊急事態宣言を出すことによって期待できるのは、国民への心理的効果ぐらいなのですよね。そう考えた場合、宣言を出すタイミングとして今というのは果たして適切なのでしょうか。
首都圏で今みんながせっせと外出自粛などをしていることによる効果は、今月中旬から下旬に出てくると思います。「東京都で新規に確認された感染者数が減少傾向」みたいな報道がその頃出てくることになるのです。そこでみんなの気が緩んだところへやって来るのが、そう、ゴールデンウィークというやつですよ。
ああ、3月の3連休のアレがまた──。
ということですので、緊急事態宣言は今月下旬に出したほうがよくないですかね。ゴールデンウィークに入る前の給料日でもって金曜日の24日に宣言を出して、国民の心理を引き締めるのがいいのではないでしょうか。
まあ、居酒屋政談をやっていても仕方ありません。せっせと手洗い励行でいきましょう。
安倍が憎けりゃアパまで憎い
「アパホテル」を全国展開するアパグループは3日、新型コロナウイルスの軽症感染者らを受け入れる方針を明らかにした。政府からの打診に対し全面的に受け入れる意向を伝えた。
ホテル側のリスクを考えれば、これはアパグループの大英断と言うよりほかはありません。そこそこまともな頭の持ち主なら誰でも分かるはずです。しかし、ネットではさっそく〈ある種の人々〉が、安倍首相の友達だからどうの、利権がどうのと喚きちらかしているようです。手を挙げたのが今のところアパだけ、という話でしかないのに。
アパホテルが〈ある種の人々〉に嫌われているという事情は知っていますが、国難に対するに当たって、イデオロギーがどうのこうのと言っている場合ではないでしょう。軽症者用の滞在施設として使わせてもらえるのであれば、アパホテルであろうが、あるいは仮にピースなんとかのチャーター船であろうが、はたまた仮にゲーキョ学会の会館であろうが、国民にとってはとてもありがたいことのはずです。
私は以前の記事で「愛国」という概念に少し触れたことがあります。右派であろうが左派であろうが、保守であろうがリベラルであろうが、政治思想はすべからく愛国的たるべきなのです。当たり前でしょう。
さて、安倍首相の友達だからどうの、利権がどうのというデマは実はほかにもあって、しかもかなり悪質です。
- 「防府のマスク製造会社、デマに困惑 全世帯2枚配布→ネット「安倍友優遇」」 << 「中国新聞デジタル」
当該会社はサーバに過負荷がかかったりして、大迷惑をこうむっています。同社の社長は安倍首相と全く個人的な付き合いはないそうですし、国からのマスク発注を受けていないどころか話も来ていないので、全く火の気のない所に無理やり煙を立てられているとしか言いようがありません。
最近繰り返し言っていますが、〈ある種の人々〉はとにかく〈安倍をたたけるなら何でもいい〉という根性を行動原理にしていますから、安倍をたたけるなら悪質なデマも簡単に正義の鉄拳となってしまうわけです。少しは恥というものを知ったほうがいいのではないでしょうかね。
話を戻しますが、今般の件でせっせとアパを中傷している人を見かけたら、よく覚えておきましょう。こういう非常時には人間の本性があらわになります。
といったところで、本日も手洗い励行でいきましょう。
現場近くからの声
新型コロナウイルス対策に関連して、中学生が布マスクを手作りして寄付したという美談を紹介し、使い捨てではない布マスクを推奨する記事を書き、自社系列の通販サイトでも布マスクを販売している新聞社が、政府による布マスク配布の話が出てくるや、とたんに布マスクは推奨されないという話を載せたりするものだから笑いものになり、布マスク非推奨は一般向けではなく医療者向けの話だよと冷静にツッコミを入れられたりしている今日このごろですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
何度か言ってきている通り、ある種の人々は〈安倍をたたけるなら何でもいい〉という根性を行動原理としており、社会の安寧は安倍政権の功績になってしまうためひたすら社会を混乱させることを目的にしています。今のような非常時にそういう質の悪い情報源から虚報を取り入れていると、判断を誤りますし精神衛生的にも悪いですから、何らかの方法で遮断したほうがよいと思います。
信頼性の高い情報源ということでいえば、厚労省のクラスター対策班の方々がTwitterアカウント @ClusterJapan を昨日開設しました。現場近くからの情報をマスメディア等のおかしなフィルターを通さずに得る手段として、大変期待されます。もっとも、クラスター対策班は目下多忙を極めていますので──。
さて、われわれはわれわれにできる対策を続けましょう。手洗い励行です。