いまだにこういう寝言を言う人が多くて困ります。しかも、あろうことか、元厚労相が言うとは──。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、素人なりにもできる範囲できちんと情報を得て理解していれば、分かるはずです。PCR検査をやったやらない、早い遅いということは、助かるかどうかということとあまり関係がありません。なぜなら、COVID-19には特別な治療法もなければ特効薬もないからです。

特に岡江久美子さんの場合は、その経過を見れば、PCR検査が遅かったから助からなかったのではないことは明らかです。

所属事務所によると、岡江さんは今月3日に微熱を発熱し、自宅で様子を見ていたが、6日朝に容体が急変。都内の大学病院に入院し、集中治療室で人工呼吸器を装着。その後のPCR検査で新型コロナウイルスの陽性と判明し、治療を続けていたが、23日に死去した。

こういう件でタラレバの話をするのは空しいのですが、あえてしてみます。

舛添氏の言うように、もし岡江さんが「発熱してすぐにPCR検査をして」その検査結果が陽性であったら、どういうふうに事が進展したでしょうか。岡江さんはその時点では発熱を訴えていただけの軽症者ですから、

  • 感染症病室等に隔離。
  • 指定の軽症者滞在施設(ホテルなど)に隔離。
  • 外出しないように言われた上で自宅療養(自主隔離)。

──のいずれかです。いずれにしても、病室やホテルや自宅でただ安静にしているだけで、特別な治療や投薬を受けるわけではありませんし、8割はそのままで治って退院という運びになります。

一方、残り2割は重症化し、肺炎を起こしてしまいます。救急搬送され、特に重篤であれば人工呼吸器を着けられたりICUに送られたりします。

ほらね、早く検査をしようとしなかろうと、結局同じ流れではありませんか。違いは、感染者として隔離されるかどうかということだけです。そして、この「結局同じ流れ」というのがCOVID-19の怖いところであって、早く検査すれば助かるという話にはなりません。なお、とにかくひたすらPCR検査をしまくって陽性ならせっせと病院送りというやり方をするとどうなるか、知りたければイタリアを見てみてください。

従って、舛添氏の発言のごときは、単に政府批判のために岡江さんの死を利用しているにすぎず、亡くなった方に対する冒涜以外の何ものでもないでしょう。

また、舛添氏の発言のように、あたかも検査が遅かったせいで助からなかったというような印象操作は、報道でもよく見受けられます。例えば:

あたかもCOVID-19は検査を早く行えば助かるかのごとき誤解を、無責任に世に広めているのは、極めて罪深いと思います。

さて、かかってしまったら治す手立てがない、自分の体で闘って打ち勝つしかないCOVID-19なのですから、みんなかからないように努力するしかありません。うつらない、うつさないために、できることをするのみです。感染症予防の基本のキとして、今日も手洗い励行を。

楽天が新型コロナウイルスのPCR検査キットを販売し始めましたが、これについて医療関係者は概ね強く批判的と見受けられます。

あのような楽天のえげつない金儲けを、素晴らしいと本気で思い込んでいる人は、とりあえず以下の2つのページをじっくり読んでみてください。

変な勘違いをしている人が多いのですよね。PCR検査を受けて陽性の結果が出れば、しかるべき医療機関で特別な治療を受けることができる、みたいな。

COVID-19には特別な治療法も治療薬もない(これが怖いところ)ので、PCR検査の結果がどうであろうと同じ対症療法しかありませんよ。つまり、軽症で風邪の症状であれば「しばらく安静にしていてください」と言われるだけですし、重症化して肺炎になれば肺炎の治療を受けるだけです。違いといえば、陽性が出たら軽症ならば指定の滞在施設に隔離されることぐらいで、そこでも別に看護師が付きっきりになってくれたりするわけではありません。ホテルの部屋で寝ているだけです。

初期の頃ならまだしも、いまだにPCR検査をしろPCR検査をしろとみだりに喚いている人は、少しは自分の不勉強を恥じるべきです。もちろん、医師が必要と判断した検査はちゃんと行えるように検査のキャパを増やすべきですが、検査を受けたい人が誰でも好きなように検査を受けられるようにしろというような言いぐさは論外です。そんなのは実現したところで百害あって一利なしですから。

いいですか。この3カ月で世界は変わってしまったのです。あの世界はもう当面戻ってこないのですよ。「風邪ぐらいで仕事を休んだら職場に迷惑をかけるから休めない」という社会はもう終わったのです。「もし新型コロナウイルスに感染していたら、このまま仕事に行けば職場で集団感染を起こしてしまうから、ただの風邪の症状に見えても念のため休まないといけない」という社会に変わったのです。会社が社員に毎朝検温を義務付け、37.5度以上あったら自宅待機しろと言う、そんな時代になっているのです。いいかげんに認識を改めてください。

意味のないわがままを喚き続けていないで、個人でやれることをちゃんとやりましょう。今日も手洗い励行で。

──という感じで、新型コロナウイルス禍について得られる情報をきちんと読んで解釈することが大事だと思います。

マスメディアは毎日毎日「新たに◯人が感染 累計◯人超」という報道しかしないので、見ていると頭がおかしくなります。テレビは特にひどく、「感染症に詳しい」という専門外の輩や、「WHO関係者」をかたる煽動ジャーナリストが、いいかげんなことばかりほざいて、ひたすら不安を売っています。何度も言うように、テレビの情報は遮断したほうがいいです。

今懸念されるのは、7都府県の緊急事態宣言がそろそろ2週間になる時期に効果が出てくるであろう一方で人々の気が緩みがちであることと、そのタイミングで来週からゴールデンウィークを迎えることです。世の中は本当に馬鹿が多いので、そこらじゅうがごった返して再び感染者増につながるおそれがあります。

改めて気を引き締め、しっかり手洗い励行でいきましょう。

BSEの問題が騒がしかった頃、吉野家の倉庫にあった牛肉から、特定危険部位が見つかったことがありました。これは吉野家が検品した際に発見したものでした。

私はこのニュースを聞いて、吉野家の管理がしっかりしていることに感心したものです。ところが、世間には「怖くてしばらく吉野家に行けない」などと言う人もいたのですよ。情報の解釈が狂うとそうなってしまいます。

それと同じような構造の出来事が、今日もありました。

全国の警察が4月中旬までの約1カ月間に取り扱った変死体のうち、埼玉、東京、神奈川、三重、兵庫5都県の計11人が、新型コロナウイルス感染を確認されていたことが20日、警察庁への取材で分かった。

つまり、変死体も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が死因として疑われる余地があれば、死後にちゃんと検査がされています。確認されている「感染者」の中に軽症者・無症状者がすべて集計されているわけではない一方、「重症者」「死者」に漏れはほぼないといえる、と私が先日来言ってきているのは、こういうことです。

「変死」というと何となく行き倒れみたいな印象がありますが、ざっくり言えば、きょうび病院以外で死んだ場合はたいてい「変死」に該当し、警察が関わってきます。上記記事中にもあるように「自宅で死亡した人」も原則はそうです。

ところが、このニュースを全く逆の意味に解する人がかなりいるみたいなのですよね。「COVID-19での死亡なのに、そうと分からないままの変死体が多くなってきたらしい。怖い」などと喚いているようです。そういうのを、機能的非識字といいます。

さて、先週の東京都での日ごとの新規感染確認数は、抑制されてきた感がありました。100、200、400、800…というふうな、恐れていた指数関数的な伸びになることはなく、集計の母数が増やされたにもかかわらず概ね100台で収まりました。今週は7都府県の緊急事態宣言発効から2週間の時期を迎え、はっきり減少傾向に転じてほしいところです。

また、わが埼玉県でははっきり減少傾向が見られます。東京都ほど状況が悪化する前から都と足並みをそろえてきた効果が出てきているのでしょう。

しかし、これで決して気を緩めてはいけませんね。そういうことは先月の3連休でもありました。新型コロナウイルス禍との戦いは長丁場です。緊急事態宣言が5月6日から延長されるのは避けようがありません。2月ごろの私は、日本でのウイルス禍は4月までに終息すると予想していましたが、見方が甘かったようです。

気を抜くことなく、しっかり手洗い励行でいきましょう。

大阪府箕面市の市長からです。

前々から言っていますが、こと新型コロナウイルス禍に関する事柄では、テレビの情報は遮断したほうがいいですよ。あるいは、初めからあまり当てにならない話という前提で聞き流すべきです。

ニュース番組もですが、特にワイドショーのほうがひどいですね。その名のごとくまさにショーなので、先に放送作家の考えた物語があり、それに沿った素材を集めるために取材が行われます。

最近聞いたひどい例ではこんなのがあります。街角でテレビのインタビューを受けた大学生(マスク装着)が、PCR検査のことなどに意見を求められ、そこから誘導尋問されて、自分は日頃から外出を控えるようにしているし、外出せざるを得ないときもかなり気をつけているため「自分は死なないという謎の自信がある」と答えたそうなのですよね。実際の放送では、長い長いインタビューのうち「自分は死なないという謎の自信がある」の辺りだけが切り取られて使われ、しかもそれは〈外出自粛要請を無視して出歩く若者〉という素材としてでした。ちなみに、取材陣のほうはマスクを着けていなかったそうです。

まあ、街角でテレビカメラなんぞを向けられたら、一切断ることですね。

それでは、日頃から外出を控えるようにしていても外出せざるを得ない場合もあるので、しっかり手洗い励行でいきましょう。