2年前、新1万円紙幣の肖像が渋沢栄一になると発表された時、ネットで「渋沢栄一? 誰?」というコメントをやたら見かけて驚いたものです。渋沢栄一の名は第一国立銀行などとともにしっかり日本史の教科書に出てくるではありませんか。君たち、授業中は寝ていたの?

2024年度発行予定の1万円紙幣の見本

別に私が埼玉の人間だから言っているのではありません。渋沢が埼玉にゆかりのある人だと私が知ったのは、実は社会人になってからのことでして(埼玉は埼玉でも深谷ってうちからは遠いのよねん)、それ以前の話として、渋沢といえば近代日本経済の礎を気づいた人だという認識が高校時代からありました。

幕末から明治維新にかけてを舞台にした映画やドラマというと、まあたいてい登場人物は決まっていて食傷気味なのですが、そういうのとはちょっと趣を異にした、農民や商人からの視点で描かれた経済の一大劇場──そんなものを、今夜から始まるNHK大河ドラマ「青天を衝け」に期待したいと思います。

とにかくですね──「渋沢栄一? 誰?」とか言っていた人、少し恥じたほうがいいですよ。