高市早苗という総理の名前は、いかにも英語圏の人には発音しにくそうだなと思っていたら、まあ、ニュースのレポーターなんかは頑張ってそれらしく発音しているのですが、案の定アメリカのトランプ大統領には難しかったようです。「タカーチ」みたいに発音していましたね。

“Takaichi” の発音がそんなに難しいのかと思う人が多いかもしれませんが、英語的にはこの綴りから読むのは難しいですよ。日本語では「タカ-イチ」と2音節プラス2音節の4音節で認識されますが、英語だと “ta-kai-chi” の3音節、そして外来語は後ろから2番目の母音にアクセントが置かれるのが原則なので教科書的には /tə kái ʧi/ [タ-'カイ-チ] となるわけですけど、実際には英語にほぼない母音配列のため、英語ネイティブが字づらから発音を復元するのは簡単ではありません。無理に正しい母音ではっきり発音させようとしたら「ター・カイ・チー」と中国人名みたいになってしまうでしょう。 “Taka-ichi” と2つに切って読むように教えるのがよさそうです。

“Sanae” もなかなか厄介で、字づらからのみだと「セイネイ」「サーネイ」あるいは「サナーイー」みたいに読んでしまうと思います。そのままローマ字読みすればいいと言われても、英語には /ae/ という二重母音がないから無理です。 /ei/ や /i:/ などに置き換えるしかありません。なお、トランプ氏がどう発音しているかは確認できませんでした。

今後もし英語圏のメディアでも “Sanaenomics” という奇っ怪な言葉が使われるようになるとしたら、どう発音されるのでしょうかね。たぶん「サニーノミクス」みたいな感じの、日本人には分からない音になるような気がするのですが。

といったところで、全国のサナエさんは海外旅行の際に少し苦労していることと思います。