熊は太古の時代から割と狼を怖がり、狼の親戚である犬も苦手なので、民家の庭に現れた熊を飼い犬が追っ払った(しかもそんなに大型の犬でもない)という話は、国内外でちらほら聞く話です。近ごろは熊がよく出没するし、山へ茸採りに行くようなときには犬を連れていったほうがいいね、と知人と話していたばかりなのですが──

何か、犬が熊にやられたというニュースが立て続けですよ。飼い主もろともやられたという事件も。今年の熊はやたら腹をすかせているらしく、しかも人や犬を食糧と認識するようになってしまい、かなりまずい状況ですね。これでまた、熊が人などを襲わないように餌をあげればいいなどとやりだすアホが現れたりしたら、状況はさらに悪化します。

人と自然の共生という言葉は美しいけれども、それを実践するためには自然に対して時に無慈悲であらねばならない、実に厳しいものであることを、改めて感じます。