水着撮影会騒動は問題が多岐に渡っており、しかもどこを掘っても深いので、ネタにすると書いても書いても終わらないことになってしまう。決して〈たかが水着撮影会〉では済まない深刻な件なのだ。いずれ誰かが本一冊にまとめてくれたらいいと思うけれど。

そもそもの話からちゃんと情報を押さえてもらいたいのだが、埼玉県営公園のプール3カ所(しらこばと水上公園、川越水上公園、加須はなさき水上公園)で開催されてきた水着撮影会では、少なくとも現時点において、何らかの違法行為が行われていたという事実が判明しているものではない。似非リベラルどもが〈女子中学生をモデルにしたポルノ撮影会〉のような印象操作のデマを拡散しているため、勘違いしている人も多いようだけれど、事実としては、

  • 一部の主催者による撮影会では、違法ではないものの出演者に未成年が混じっていたことあった。
  • 一部の主催者による撮影会では、法律上の「猥褻」には当たらないものの過激なポーズをとる出演者いた。

ということである。未成年を出演させないとか、過激なポーズをとらないといったルールは、プールによりあったりなかったりした上、だいたい「過激なポーズ」という表現からして曖昧すぎて線引きが明確ではない。このような状況において県公園緑地協会が、すべての主催者によるすべての水着撮影会を一律に即時かつ永久に中止するというあまりにも乱暴な措置をとったために、騒動に発展したのである。

しかも、事実上そのトリガーになったのが、共産党県議団3名による申し入れであった。県としては一応、特定の政治団体の影響によるものではなかったと言い訳しているが、県の立場ではそう言わざるを得ないだけのことであって、そんな話を真に受けるのはよほどの馬鹿だけだろう。

[県公園緑地協会は]来年度には、水着撮影を許可する統一基準を盛り込んだ指針を導入する考えだ。秋にも専門家会議を開催し、内容を詰める。
[同]

本来、県議の仕事は、まさにこういう指針作りを県議会の委員会に提案することではなかったのか。それを、現場の管理者の所へ押しかけていって、何ら違法性がないのにただちに水着撮影会を中止しろと圧力をかけるとは、何ごとであろうか。議員としての仕事をせず、ただの乱暴なカツドーカと化しているのは、やはりそういうDNAを持つ政党だからなのであろう。

もちろん、そうしなければならない緊急性があったのなら話は分かる。例えば、水着撮影会の出演者の中に親から出演と過激なポーズを強要されている女子中学生がいて、ギャラはすべて親に巻き上げられているとの情報があり、確たる証拠を得た、という場合であれば、違法性が強く疑われることから緊急に中止を要請するのも分かる。しかし、今般の共産党県議団による中止要請には全く何の理もなかった。「都市公園法第1条違反」とかいう寝言は、国民の諸権利を侵害し関係者に莫大な損害を与える根拠になどなり得ないし、冗談としてもつまらない。