一昨日の記事で欧米人の勘違いについて書きましたが、まさにそれを象徴するような報道記事がまた出てきました。ロイターが〈新型コロナウイルス検査が進んでいる国ランキング〉などというくだらないことを──

感染者数ランキングもそうですが、こういう比較はあまり意味がないのですよね。医療関係者からの情報をしっかり読めば分かることであり、私のごとき素人が偉そうに言うべきことでもないのですが、いつまでもこういう質の悪い記事がマスメディアから出回り続けるので、私の理解している範囲でざっくりと述べておきます。といっても、全部書くと長くなるので、重症患者の場合に限定して。

日本では、肺炎になりかかっているもしくはすでになっているとみられる患者に対して、すぐCTスキャンを撮ります。日本は世界から見るとCTスキャナーが馬鹿みたいに普及していて、これは日本の医療界の強みです。

「日本のCT・MRI・PET保有数は世界何位?|医療機器数ランキングを世界各国で比較」 << 「ラボコート」

CTスキャンが撮れると、肺炎の状況が具体的に分かります。ウイルス性のものか他のものかというのも分かります。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)はもちろんウイルス性です。

さらに、COVID-19とおぼしきものにはそれなりの特徴があるため、疑わしければ医師がPCR検査に回すことを判断します。きょうび医師も院内感染にかなり神経をとがらせていますから、やばそうであればちゃんと検査に回します。ですので、日本のデータでいう新型コロナウイルスの「感染者数」がすべての感染者を拾えているとはいえないものの、COVID-19の「重症者数」「死者数」にはほとんど漏れがないと考えられます(少なくとも指定感染症に定められて以降は)。

このように、日本では感染の疑わしい患者をかなり絞り込んだ上で検査に回していますので、当然、検査数は多くなりません。一方、諸外国では、たとえ先進国であっても、CTスキャナーの数が日本に比べるとものすごく少ないため、ビシバシと多くの人に対して検査を行わなければなりません。結果として、日本での検査数は他国と比較するとものすごく小さくなるのです。

かくして、日本の医療者の方々は充実した機器をもって新型コロナウイルスに立ち向かっているのが実情です。われわれ一般人はわれわれのできることを──そう、手洗い励行を心がけましょう。