このような日本の国会の生々しい「総理追及映像」を、数億人の中国人が見ると言われるCCTVのメインニュースで報じたのである。

─(略)─

こういったニュース映像を、中国人はどう受け取っているのか? ある親しい中国人に聞いたら、意外な答えが返ってきた。

「日本という国は、あれだけ国会やテレビカメラの前で、多くの人が正々堂々と、最高権力者を批判できる社会なんだと驚愕している。自由な民主国家って羨ましいなあって、皆陰で言ってるよ」

これ、昔、北朝鮮が似たようなことをやらかしましたよね。韓国の光州事件などの抗議デモの映像を、北朝鮮のテレビが〈圧政に苦しむ南朝鮮の人民たちが蜂起する革命前夜〉の様子としてせっせと放映したところ、韓国の立派な街並みや学生たちの小ぎれいな身なりが北の人々の知るところになってしまったという喜劇です。当局は慌てて背景にぼかしを入れたりしたそうですけど、もう後のお祭りひなまつり。

もっとも、当時の北朝鮮(今も基本的に変わらないと思いますが)でテレビを見られる層は一部に限られていたため、影響としてはさほど大きくなかったと思いますけど、今の中共で日本の国会の映像をガンガン流したらどうなるのかといったら──。

えっと、昨年、自民党総裁になりたての石破(本人)がこれを論文で大っぴらに主張した時には、騒ぎというほどの騒ぎにはならず、大方の反応は「ゲルの馬鹿が何か言ってらぁ」ぐらいの感じでした。ところが、高市内閣の高官がオフレコで「個人的な思いとしては、日本も核兵器を持つ必要がありますよ。政府内でそういう議論はありませんけどね。それに、NPTもあるしコストの問題もあるし核保有は現実的に無理ですわ」と言っただけで大騒ぎになってしまうのは、なぜなのでしょうか。

さあ、よーく考えてみましょう。

最初に火をつけたのは共同通信で、そこに内閣支持率を下げたい何社かが追随している感じです。

見出しで釣る典型ですな。

ちゃんと記事を読んだ人なら分かることですが、この「官邸筋」が言っていることの趣旨は〈核兵器保有が必要だけど、現実的には無理〉ということです。つまり、見出しは「首相官邸筋「核保有は現実的でない」」とすることもできますし、どちらかというとそのほうが適正です。

また、共同通信などは都合が悪いので記事化していないようですが、関連する記事をいくつか見てみれば分かるように、核兵器保有について政府内で議論が進んでいるわけではないし、この「官邸筋」が高市総理に進言したわけでもなく、あくまでも「個人の思い」として言ったことにすぎません。「政府としては核兵器を持とうという考えはまだないんだけど、個人的には持つべきだとは思うんだよ。とはいっても実際はNPTもあるし、ほぼ無理だよね」という程度の話です。まあ、そんな人も政府にはいるだろうなという感じです。

そして、オフレコものが漏れるたびに言われることですけど、オフレコなのに簡単に大々的に報道しちゃっていいのですか、オールドメディアさん。報道の品格というのはないのですか。内閣支持率を下げるためなら何でもやるってことですか。

これは私の勝手な想像ですが、最初に記者の誰かが「やっぱり日本も核兵器を持ったほうがいいんじゃないっすかね」とか鎌をかけたのではないでしょうか。もっとも、そんな鎌をかけられて簡単に引っかかるほうも脇が甘いとしか言いようありませんけど。

スパイ防止法とかも大事ですが、その前に政府内がユルユルすぎませんかね。何かこう、政治家センセーたちの〈記者たちにここだけの話をしたがる体質〉を改めないと駄目ですよ。個人的には核兵器を保有すべきだと思うとかいう話は、退任してから言えばいいことです。

あと、最近つくづく思いますけど──「官邸筋」「政府筋」「政権筋」って便利な言葉ですね。

中共の切れるカードはパンダが最後だったようです。まあ、ほかにもカードはあるにはあるのですが、下手に切ると日本(および国際社会)からの反撃でいよいよ自分たちが窮地に追い詰められることになるのは彼らも一応分かっているらしく、自暴自棄なことはさすがにしてきません。そして、一昨日あたりからは、もはや理不尽で身勝手なわがままを繰り返し喚くことしかできなくなっています。

昭和世代にしか分からない形容でいうところの壊れたレコード状態というやつですが、ただ困ったことに、レコードは壊れているのにアンプとスピーカーが強力(笑)なオーディオコンポでして、毎日せっせと世界じゅうで「高市毒苗が悪いアル!」と騒音を垂れ流していますね。人民網やらCGTNやらがわざわざ X (旧Twitter) などでプロパガンダを続けており、しかもそこに共産党とか橋下徹氏とか舛添要一氏とかが乗っかって煽ったり、中共から多額の資金援助を受けていることでおなじみの一ツ橋をはじめオールドメディア各社がせっせと拡張したりと、なかなか目障りで耳障りです。

ただ、今般は本当におもしろいことに、そうやって親中派の工作が盛んに行われているにもかかわらず、世論はほとんど影響されていません。いやぁ、眺めていて実に愉快ですわ。国民の大方はもう〈こんな人たち〉を信用しなくなりました。

答:「中共はね、日本に勝手な言いがかりをつけて、日本が言うことを聞かないからって、そういう意地悪をしているの。嫌がらせをしているの。ひどいよね。お前はそういう人間になっちゃ駄目だぞ。そんな大人になっちゃ駄目だぞ。相手が自分の言う通りにしないからって、意地悪や嫌がらせをいつまでもするような人間にはなるなよ」

いや、ほんと、アッチ方面の人の頭の中ってどうなっているのか、不思議でたまりませんわ。まあ、そういったこともはっきり炙り出されてきていて、昨今はおもしろいですけどね。

そもそも半世紀ばかり前まで日本にいなかった動物が日本からいなくなることが、そんなに大ごとですかね。動物に金をかけるなら、トキの繁殖とかにかけたほうがよくないですか。