10月14日、東京労働局の過重労働撲滅特別対策班などが、大手広告代理店・電通に一斉立ち入り調査に入った。

「その日の夕方、部局単位で社員が緊急招集されました。そこでは、ツイッターなどのSNSの使用禁止、社のロゴが入った紙袋を持ち歩かないように、社員証は会社から出たら外すように、とのお達しがありました。立ち入り調査の話はありませんでした」(同前[ある若手社員])

記事見出しに「美人」と入れるのは昭和の週刊誌のやり方だよなぁ、という話はともかく。

電通は隠蔽する気満々のようですから、あの会社が積極的に状況を改善することを期待するのは難しいでしょう。高橋まつりさんのSNSのログが残っているのが不都合だからといって社員のSNS使用を禁止するのであれば、もし手書きの遺書が残っていたりしたら手紙を書くのを禁止していたかもしれませんね。アホか、お前ら。

ところで、14日に行われた立ち入り調査について、抜き打ちなのになぜテレビに映っているのかなどといぶかしがる声がSNSで散見されるのですが、あれは別に変なことではありません。

検察の特捜部などの(事前通告なしのはずの)家宅捜索がしっかりニュース映像になっているのは、よく見かけるでしょう。家宅捜索先に車で直接乗り付ければいいのに、わざわざ少し離れた所から集団で歩いてゆき、その直前にテレビ局にリークして画を撮らせ、それによって社会への視覚的アナウンスメント効果を狙っています。

このたびの電通への立ち入り調査も同じでしょうから、実際に抜き打ちだったと考えるのが自然だと思います。また、報道映像は本社への調査のみでしたが、実際には支社や子会社へも一斉に調査に入るという異例の措置をとっているわけで、労働局などはかなり本気なのだろうと思います。

もっとも、電通が今後政治にどんな工作をしかけるか分かったものではありませんから、動向を注視する必要はあります。何せ社員のSNS禁止などとさっそく小細工を始めているありさまですし。