台湾有事発言の関連では日々次から次へとネタが出てくるので追いつけないくらいなのですが、とりあえず〈今まで分かっていたけれど何となくぼんやりしていたあれこれ〉がはっきり炙り出されてきたという点は、この騒動による好影響の一つだといえるでしょう。

例えば、日本におけるいわゆるリベラルの多くは、私が常日頃から「似非リベラル」と言っているようにちっともリベラルではないことを、彼ら自身が明らかにしてきています。

彼らの正体はやはりファシストであり、帝国主義者でした。

端的に言うと、台湾は「化外の民」だから中共の「王化の光」に従属しろということです。いやぁ、「化外の民」なんて概念は清朝時代で終わったと思っていましたがねぇ。

読んだ時はさすがに目が点になってしばらく動けなくなりましたよ。アカウントが乗っ取られたのではとさえ思ったくらいです。

まさか、この21世紀、令和の時代に、中華思想(「華夷秩序」「中華的コスモロジー」)を、大っぴらに、大真面目に、肯定的に説いて、日本や台湾を貶めるような輩が、それも中国ではなく日本の学者の中にいるとは、冗談にしてもタチが悪すぎます。

台湾有事発言に絡んで中共を擁護する人たちについて、ガザの問題などでイスラエルが嫌いだからといってよりによってナチスを賞賛するようなものだ、と評している人を X (旧Twitter) で見かけまして、なるほどうまい比喩だと思いました。が、あれは比喩ではなかったのですね。〈こんな人たち〉の性根はまさにナチスなのですよ。まあ、前から分かっていたことではありますが、現在の台湾絡みの言辞においては彼ら自身が隠さなくなってきているだけです。呆れ果てました。

今さら言うことでもないですが、日本はそもそも607年に聖徳太子(推古天皇摂政)が遣隋使の小野妹子を送って煬帝(隋朝皇帝)に渡した国書によって、「華夷秩序」からの離脱を宣言しています。これは日本側が勝手に言っていることではなく『隋書』に書かれています。小学校で習いますよ。その時の煬帝も今のプーさんと同じく激怒したみたいですけどね(笑)