男性に女性へのAED使用を促しているつもりらしい記事はたびたび目にするけれども、むしろ逆効果としか思えない。毎度毎度、何が問題なのかがちっとも分かっていなそうな文章ばかりである。あるいは、書き手は実は分かっているくせにわざと分からないふりをしているのか。

例えば一昨日公開されたこの記事も──

少し抜き出してみよう。

AEDは素肌に直接パッドを貼るため、女性への使用がためらわれることもあります。

しかし、もっとも大切なのは命です。心臓が止まってしまった場合、AEDによる電気ショックが1分遅れるごとに救命率は約10%ずつ低下するといわれています。

下着をずらすなどしてパッドを素肌に貼ることができれば、服をすべて脱がさなくても使うことができます。

服を脱がせた場合でも、パッドを素肌に貼った後なら上からタオルや服をかけて隠しても問題ありません。

ほかにも、救助者が何人もいる場合は人垣を作って周囲の目から隠したり、救助の様子をスマートフォンで撮影しようとする人に声をかけてやめるように促したりもできます。

この記事を書いた人は、自分が何を書いているのか理解しているのだろうか。

つまり、AED使用が1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下するから、時間をかけて女性への十分な配慮をしてからAEDを使え、と言っているのである。今までAED講習を一度受けたことがあるかないかという素人の男性が、目の前で女性が倒れるという緊急事態に遭遇した際に、服をめくりすぎないようにとか、周りに人垣を作らせるとか、いろいろ細かいことを考えながら慣れないAED救命措置をとることを、この記事は要求している。ためらわずにAEDを使えと言いながら、実際はAEDを使うハードルをわざわざ高くしている文章にしか見えない。

普通に考えれば、AEDにまるで不慣れな素人がそんな余計な配慮をしてあたふたしているうちに、救命率が10%低下することになる。実に馬鹿げている。くだらないことをいちいち考えず、さっさと服を脱がせてパッドを当てて電気ショックを与えなければならないのは、言うまでもないことだ。

しかしながら、このような至極真っ当な主張に対し、例によって似非フェミやら炬燵セーギやらが難癖をつけてくる。曰く、それは救命行為にかこつけた痴漢行為の正当化だ、この変態オヤジめ、と。まともな人間には信じられないことかもしれないが、SNSをのぞいてみれば、そういうキチガイがウジャウジャいるというのが実情だ。

そして、そのような実情にかんがみれば、女性にAEDを使用する際にあれやこれやの配慮が不十分だったとみなされた場合、それを咎められることになるのも目に見えている。「必要以上に服がめくられて下着が見えた」だの「AEDを使う男性の手が不必要に女性の胸に触れた」だの「周りに人垣を作るなど十分な目隠しができていないのに過剰に肌を露出させた」だの。そんなことで訴訟沙汰にされたりした日にはたまったものではない。

実際にAEDが理由で訴訟を起こされた例は今のところないようだが、しかし似非フェミや炬燵セーギの異常な言動を見ていれば、いずれそういう訴訟が起こされる可能性は否定できない。仮に訴えられても敗訴することはないから心配するな、と弁護士たちは言うけれども、訴えられて勝訴を得るまでにかかる時間と手間と費用はどれほどだと思っているのか。しかもその間に、似非フェミや炬燵セーギが男性を個人特定し、名前や写真などとともにネットにデマを拡散し、判決が出る前にしっかり社会的に抹殺してくれるという丁寧ぶりで、それにより男性がこうむった損害を一体誰が補償してくれるというのか。

これでは男性は女性にAEDを使えないに決まっている。使えるようにする必要がある。しかるに、上記記事のように問題点を押さえないとぼけた言説ばかりが繰り返されるため、全く問題が解消される気配がない。こんなふうだからやはり私は女性にAEDを使わない。