レジ袋についていまだに勘違いしている人が多いが、日本の大手コンビニ等のレジ袋のほとんどはバイオマス素材や生分解性素材であって、本来は有料化義務の対象ではない。ではなぜほとんどの店が有料化しているのかといえば、単に〈環境に配慮している企業〉のイメージ作りのために便乗しているだけであろう。

もともと私はレジ袋を家でごみ袋などに再利用していたが、そういう人は多いと思う。マイバッグを持参してレジ袋を使わないようにしても、レジ袋の代わりに家庭で使う袋を別途買うことになり、プラの消費総量はほぼ変わらない。しかも、レジ袋型の持ち手の付いたものをドラッグストアなどで買うとやや高めで、結局はレジ袋を有料で付けてもらうのと変わらないし、それならばマイバッグなんていう余計なものを持参せず手ぶらで出かけて有料レジ袋を買うほうが効率的だから、現在の私は有料化前と同様にレジ袋を付けてもらうことが多い。

そもそもレジ袋有料化はなぜ始まったかというと、海洋プラごみ対策だったはずである。海洋プラごみはなぜ発生するかというと、旧来型のビニール等のプラごみが適正に処理されずに海にまで流れていってしまうからだ。従って、海洋プラごみを減らすためには、ごみはごみ箱に捨てる、ごみ箱のごみはきちんと回収して処理する、ということを徹底すべきであり、レジ袋を減らそうというのは何かずれている。レジ袋有料化より、ごみのポイ捨てや廃棄物の不正処理を厳罰化し、取り締まりを強化するほうが効果的ではないか。

また、ごみはごみ箱に捨てる、ごみ箱のごみはきちんと回収して処理するというのは、日本は昔から割としっかりやっているほうなので、むしろちゃんとしなければならないのは諸外国だ。経済発展が著しく盛んにプラごみを垂れ流している新興の国々が問題であるのはもちろんだけれども、加えて、昔からごみの分別なんかろくにしていなかったくせに近年にわかに環境問題に目覚めたかと思ったら「日本はプラごみが多すぎる。環境の意識が遅れている」などと変なケチをつけてくる欧米の民なんぞ、うんざりするばかりだ。君たちこそまず、ごみはごみ箱に捨てるという公衆道徳を身につけろ、と言いたくなるのである。