政府が「Go To」事業の運用を見直すと発表したことで、どうせ報道媒体はこんな感じになるのだろうと思っていたら、まさにさっきのぞいた「Yahoo!ニュース」のトピックの並びがそんな感じになっていて、笑うしかなかった。

「Yahoo!ニュース」トップページより(午前11時ごろ)

「GoTo修正 経済重視で首相後手」「GoTo修正 店「もう駄目かも」」─。ならばどうしろと言うのだろう。つまるところ、ブン屋は火の粉を見つけてパタパタと煽るだけの存在なのだ。

たった10カ月ほど前からのことなのだが、忘れている人が多そうだから復習しておこう。

1月、春節休暇に中共から来る観光客を入国禁止にしろ、という声が少なからずあった。主に似非保守の界隈が強く主張していたが彼らに限らない。確かにあの時期、中共からの観光客を感染源とする新型コロナウイルス感染例はいくつかあったが、観光客の数に比してみれば微々たるもの、ほとんどないに等しい数だった。日本で広まったのはむしろ、欧米帰りの日本人がせっせと持ち込んだウイルスである。私は何度も述べていたが、感染拡大は日本より欧米のほうがはるかに大きく先行していた。このことは、報道の情報などから煽り要素を除去して事実だけをきちんと抽出してみれば、誰でも分かるはずなのに、いまだに分かっていない人が多すぎる。

その後、緊急事態宣言が発出されるや、休業要請に従わず営業を続けるパチンコ店が激しく非難されるようになった。しかし、実際にそれらの店の様子をニュースなどで見てみれば、感染予防策はそこらへんの他業種より徹底していた。そして現在に至るまでパチンコ店はクラスターを出していない。そもそも私はパチンコ業界なんぞ諸悪の根元だからつぶすべきだという立場なのであるが、コロナ禍を口実にパチンコをつぶすことは信義にもとると考える。

かくして今、俎上に上がっているのが「Go To」である。その事業自体による感染拡大がさしたるものではないことは、やはり情報をきちんと精査してみれば分かるはずだ。分かっていないとすれば、あなたは過去10カ月間何も学んでこなかったというだけのことである。いつまで振り回されるつもりか。今般の感染急拡大は、タイミングとしては「Go To」なんかより、ハロウィーン騒ぎのほうに原因があったのでは、と推測するほうが自然だろう。

「Go To」にまつわる問題があるとするなら、〈国が「Go To」をやっているくらいだから大して深刻な状況ではないのだろう〉という勘違いによる気のたるみから感染予防をおろそかにする人が出てきていることかと思われる。「Go To」をやろうがやるまいが、誰もがきちんと〈手洗い〉〈マスク〉〈距離〉を実践すれば感染拡大は抑えられるし、実践しなければ抑えられない。それだけのことだ。

そう、私が言いたいのはいつもと同じだ。報道媒体のくだらない煽りにだまされないで、とにかくまずは手を洗え。基本的な予防策をとれ。