大阪の都構想には全く関心がなかったため、昨日になってようやくそういえば住民投票の日だったと気づいたくらいなのですが、実は築地の紙がこの件をいつもの外国人参政権ネタに強引に絡めた社説を書いていたと聞き、まさかと思いつつ確認してみたら本当でした。

大阪市を廃止し、四つの特別区に再編する都構想。間近に迫った住民投票は、大阪市以外の自治体にもかかわる見過ごせない課題を投げかけている。

長年日本に住みながら日本国籍を持たない外国人が投票できない問題だ。

「(社説)外国人と投票 地方選の門戸を開く時」(2020年10月30日) << 「朝日新聞デジタル」]

冒頭からこれですよ。築地の記者たちはまんざら馬鹿ではないので、屁理屈をこねることだけは得意のはずですが、最近では屁理屈も満足にこねられなくなってきましたね。

前から言っていますが、参政権が欲しければ帰化すればいいだけです。参政権は国民固有の権利(憲法第15条)ですから、原則的には国籍を有する人にしか与えられないのは当然です。外国人だって税金を納めているぞぉ、とかいう話は関係ありません。

投票したければ日本国籍を取得すればよいとの声も少なくないが、母国の国籍へのこだわりは自然な感情だろう。二重国籍を禁止しつつ地方選挙権も認めない日本は、先進国のなかで特異な存在だ。待ったなしの課題であると認識すべきだ。
[同]

こういう出羽守にだまされないよう、基本的な情報は自分で確認しておいたほうがいいですね。ついでにいうと「二重国籍」と聞いてたいていの人はレバノンへ逃亡した多重国籍の刑事被告のことを真っ先に思い出すでしょうし、多重国籍を認めている国であっても安全保障上の問題など現実的にろくでもないことになるので決して推奨はしていません。

とりあえず〈移民の国〉アメリカにおける状況を参考のために:

永住権保持者には、アメリカの地方(市や州)、連邦のすべてにおいて、非選挙権、選挙権が与えられていない。市民権保持者であれば、地方、国政に参加することも、一票を投じることもできる(ただし、大統領になるには帰化国民ではなく、アメリカ生まれのアメリカ国民であること、または、海外で生まれても両親がアメリカ市民であること)。