相変わらず日本人の反応がいまいち鈍いのですが、世界は動いていますし、日本に安穏とした孤立を保つすべがあるとも思えません。

英議会の国防委員会は8日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)について、中国政府と結託していた明白な証拠を見つけたとし、英国は予定よりも早く同社製品を全て排除する必要があるかもしれないと表明した。

ファーウェイは日本でPCやらスマホやらいろいろと販売中で、今月はスマートウォッチ新機種を発売しています。ええ、野放し状態ですよ。

国防委員会のエルウッド委員長は「西側諸国は中国のハイテク支配に対抗するため、早急に団結しなければならない」と指摘。「短期的な技術発展のために国家安全保障を明け渡してはならない」と述べた。
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これはリアリズム的には当然の考え方でしょう。平時ならともかく安全保障が関わる事態になったとき、国家というのは存続をかけてそれを優先しますし、そうしなければ生き延びられません。

ふだんから経済的な結びつきが強く友好的な関係にあれば、国家間でトラブルが起きても簡単に手を切るわけにはいかないので、全面的な争いにまで発展することはない──などと日本のチシキジンが垂れる講釈は寝言でしかありません。実際に、ヒト、モノ、カネが自在に行き交っていた世界も、今般の新型コロナウイルス禍によりあっという間に分断されました。安全保障とはそういうものです。