「ドコモ口座」──これは「どこもろざ」ではなく「どこもこうざ」だそうで (笑)。私は今般の騒動で聞くまで全然知らなかったのですが、NTTドコモが提供している電子決済サービスだそうです。

最初、ドコモ口座での不正引き出しがどうのこうのという話を聞いた時は、何だか知らないけどドコモの利用者がサイバー犯罪に巻き込まれているようで大変ですね、とドコモを使っていない私は思ってしまったのですが、とんでもない勘違いでした。

ドコモ口座不正引き出し被害は、ドコモを利用しているかどうかとは全く関係ないのです。もっと言うと、携帯電話を持っているかどうかすら関係ありません。

「私はNTTドコモの携帯電話を使っておらず、ドコモ口座の存在すら知らなかった」。七十七銀行(仙台市)の預金口座から、無断で開設されたドコモ口座に30万円を不正送金された宮城県の30歳代の女性は落胆した様子で語った。

被害に遭った(あるいは遭う可能性がある)のは、次の両方の条件を満たす人です:

  • ドコモ口座と金融機関口座との紐付けを行っていない。少なくとも自分でやった覚えはない。
  • ドコモ口座との紐付けが可能な金融機関に口座を持っている。

後者に該当する金融期間は以下の35行です: みずほ銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行、イオン銀行、伊予銀行、池田泉州銀行、愛媛銀行、大分銀行、大垣共立銀行、紀陽銀行、京都銀行、滋賀銀行、静岡銀行、七十七銀行、十六銀行、スルガ銀行、仙台銀行、ソニー銀行、但馬銀行、第三銀行、千葉銀行、千葉興業銀行、中国銀行、東邦銀行、鳥取銀行、南都銀行、西日本シティ銀行、八十二銀行、肥後銀行、百十四銀行、広島銀行、福岡銀行、北洋銀行、みちのく銀行、琉球銀行

このほか、昨年5月にりそな銀行と埼玉りそな銀行でも被害が確認されていたとのことですが、それら2行は事態を受けて昨年7月からすでにドコモ口座の新規紐付けを停止しています。

繰り返しますが、ドコモを利用しているかどうかは全く関係ありません。上記の両方の条件に当てはまる人は誰でも被害に遭う可能性がありました。ドコモ、はっきりいって、はた迷惑です。

この事件、何が問題かといいますと──

  • ドコモと当該銀行のセキュリティがザル。特にドコモ。
  • 昨年5月に被害が確認されていたにもかかわらず、今まで1年以上もまともな改善策を講じてこなかったドコモは屑。
  • 被害者から相談を受けてもまともに対応しなかった銀行は屑。
  • 被害者から相談を受けても何罪に当たるのか分からなくて被害届を受理できないと答えた警察は役立たず。

とにかくドコモは屑です。

ちなみに、今回の騒動を受けてドコモ口座と銀行口座との新規紐付けは停止されていますが、ドコモ口座そのものは利用停止にしていないため、今後も被害が出るおそれはあります。そう、ドコモは屑です。上記35行に口座を持っている方は、しばらくの間は取引履歴を毎日でも確認したほうがいいでしょう。