日本では新型コロナウイルスの検査数が多くないので、確認された感染者数がこの程度だが、実態としてはもっと大きな数字になるはずであり、すでに首都圏では大変な蔓延状態になっているはずだ、というような発言をリアルでもネットでもたまに見聞きします。

確かに、検査は希望者全員に対して行われているものではないため、実際の感染者数は発表されているものよりも多いでしょう。しかし、それはどこの国でも同じですし、むしろ日本は比較的ちゃんと検査が行われているほうではないですかね。

なお、そういう話でよく韓国が比較例として持ち出されますが、感染が急拡大した要因の特殊性や、半狂乱になってみだりに検査しまくっている実情や、パニクった人々が病院に殺到することによりかえって感染リスクを高めているという事情からして、韓国は比較対象として不適切です。あの数字は国際的な統計でもあまり意味をなさない〈参考程度〉のものだと思います。はっきりいうと、韓国はむしろ〈ああいうふうになってはいけない〉という悪い見本でしょう。

3千万の人間がひしめく東京圏では、いくらか時差通勤の効果があるとはいえ、相変わらず通勤電車は満員です。もうとっくに東京じゅうに感染者があふれていてもおかしくないはずです。となれば、潜伏期間が明けて東京じゅうで風邪っぴきが急増しているはずですし、肺炎患者がはっきり有意に増加して病院はベッド不足に陥ったりしているはずですが、そんな話は医療関係者から聞こえてきません。そう、日本での感染拡大は決して爆発的なものではなく、散発的な状態で抑えられているのですよ。実際の感染者数が発表されているものよりも多いであろうことは間違いありませんが、すさまじく多いということは考えにくいです。

やはり、最近はまめに丁寧な手洗いを心がける人が増えたからだと思いますよ。もとから簡単に手を洗う程度の習慣のあるわれわれの国民性に加え、今はウイルスを警戒してまめに丁寧に洗うようになっているからでしょう。

ヨーロッパではイタリアの騒ぎに続き、ドイツでも保健相が流行の始まりだとの認識を示しました。日頃から頻繁に握手やハグをするにもかかわらず手洗いの習慣がないような文化圏では、感染症の拡大は日本の比ではない速さとなるでしょう。手洗いの大切さを彼らにも伝えたいところですけれども、まあ、街でアジア人と擦れ違うときにセーターの襟で口と鼻をふさいでいるような人たちですから、まともな衛生知識を持ってもらうのは難しいかもしれませんね。

というわけで、今日も手洗い励行でいきましょう。