ヨーロッパでまず騒ぎになったのはイタリアでした。

日本で確認された新型コロナウイルス感染者の数が増えつつありますが、爆発的というほどではなく、その一方、あとから欧米で増えだす感染者数があっという間に日本なんかをはるかに上回る数字になってゆくであろうことは、容易に想像がつきます。私はその時期を4月と予想していましたが、3月になりそうな感じです。

そのように想像がつく理由は簡単です。日本人の国民性として、外から見ると潔癖症気味といえるほどの衛生意識があるからです。

近ごろ私は、手を洗え手を洗えと盛んに言っています。テキトーにピチャピチャと水で濡らすような洗い方では意味がないので、ちゃんと石鹸等を使って厚労省や医療機関の指導の通りに時間をかけて丁寧に手を洗え、まめに洗えと、私は盛んに言っています。けれども、ピチャピチャと水で濡らす程度でも手を洗う習慣があるだけ、日本人はまだマシなのですよね。外国ではそもそもトイレのあとですら手を洗わない人が多いです。しかも、それで握手の習慣なんかがあったりするわけですよ。

もう分かりますよね。日本は中国に地理的に近く人の往来が多いため、比較的早い時期に新型コロナウイルスが侵入し、感染が始まりました。けれども爆発的な感染拡大というほどではないと思います。そうこうしているうちに、後発組の欧米があっさり日本を追い越してゆくことになります。

それと、これもよく言われることなので知っている方は多いと思いますが、日本は皆保険制度の恩恵により誰でも病院に行きやすい環境です。外国では一般に、風邪ぐらいで病院に行く人は多くありません。インフルエンザっぽい症状でも、たぶんインフルエンザだなと自己診断して家で寝ているだけというのが多いようです。

そういう事情の違いがあるため日本では、厚労省が新型コロナウイルス感染診断について、何度以上の体温が何日以上続いている場合にどうこうという指針を出しているわけです。例によって「日本政府は検査数を減らして分母を小さくし、感染拡大を隠蔽しようとしている!」などと喚く陰謀論好きの馬鹿がたくさん湧いているみたいですが、そういうデマに惑わされないよう気をつけましょう。

つまるところ、私は何を言いたいのかというと、いつも通りです。手を洗いましょう。きちんと丁寧にまめに手を洗いましょう。新型コロナウイルス程度のものは、特効薬の開発を急ぐとかより、まずは個々人が基本的な感染症予防策を徹底することで、かなり抑え込むことができるはずです。そして、われわれ日本人はそれができる衛生観念を持ち合わせています。