そもそもの話、ふるさと納税に返礼品があること自体がおかしい。ふるさと納税の本来の趣旨に反する。法律で禁止すべきである。せめて実費数百円の礼状や観光案内で抑えるべきだ。

だいたい日本人というのは、結婚式の祝儀に対する引き出物から葬式の香典返しまで、あくまでも志という形で贈られた金銭に対して、受け取った側は相応の返礼品で応えなければならないという、変な強迫観念にとらわれすぎなのだ。贈った側も贈った側で、あくまでも志として贈ったのであれば無償のものであるはずなのに、返礼品にちゃちだと文句をつけるとか、訳が分からない。

これは、はっきりいって日本人の悪いところだ。

顔も名前も忘れたがハーフのタレントが、そんな日本のしきたりについて、テレビでこう言っていたの覚えている:「せっかく結婚のお祝いをする気持ちで贈っているのに、それに対して品物を返されると、お祝いしたわたしの気持ちが無にされたみたいで悲しいです」─。

同感だ。例えば、私はとある国際NGOに毎年ささやかな寄付をしているが、返礼品が欲しいなどと思ったことは一度もない。ふるさと納税というのも本来はそういうもののはずなのだが。