朝日新聞不適切タグ事件について、ちょうど私が昨日の記事を公開したあとぐらいに、新たな情報が出ていたようだ。

朝日新聞の慰安婦問題にからむ英語版記事2本がインターネットで検索できないような設定になっていたことが分かった。朝日新聞広報部は産経新聞の取材に対し、「記事を最終確認するため社内のみで閲覧できる状態で配信し、確認を終えてから検索可能な状態にした。その際に2本のタグ設定解除の作業が漏れてしまった」と説明し、24日までに設定を解除した。

実をいうと、朝日新聞によるこの釈明は私の想定の範囲内であった。というのも、ウェブ制作の仕事においてはこういう手順をとることが実際少なからずあるからだ。そういう意味では、朝日としては〈48行目の疑惑〉をこれで晴らすことができた──つもりでいるだろう。

では、当該記事2本のみに限ってそういう作業手順をとった理由を、しっかり説明してもらいたい。当該記事2本のみに限って、うっかり検索よけタグを外すのを忘れてしまうに至った事情を、しっかり説明してもらいたい。

実はほかにもツッコミどころはある。当該記事2本は、URLを確認してみれば分かるが、英語版サイトのコンテンツとして位置付けられていない。〈日本語版サイトの中で公開された英文記事〉というおかしな位置付けである。つまり、国外の読者に読んでもらおうという意図が最初からさほどなく、あくまでも〈国内で文句を言ってくる奴らがうるさいから形だけ英訳を公開しておく〉という姿勢だとみられても仕方がない。このような状態で、件の不適切タグについて「作業漏れでしたぁ」という釈明を信用しろというほうが無理ではないのか。