吉田大八監督『羊の木』 日本、2018年

〔2018年2月7日(水)鑑賞〕

北村一輝と松田龍平が出るとなれば、見ないわけにはいかないだろう。そう思って映画館へ足を運んだ。漫画を映画化したものであることは、見たあとで知った。

ある港町が過疎対策として全国から受け入れた移住者6人。彼らはみな刑務所を仮釈放された身であった。彼らが過去に犯したのは、殺人であったり傷害致死であったり過剰防衛であったりするが、つまりは人を死に至らしめた罪だ。

そして、彼ら移住者たちがやって来て間もなく町で見つかった変死体──。

何かが起きるのか、起きないのか、見る者の程よい緊張を途切れさせない映像はなかなかいい。ドキドキともワクワクともいえない、埋み火のような熱を胸の内に感じる。

やがて物語は中盤から急転直下、怒涛の終盤へ向けて──と言いたいところだけれども、はっきりいって、潮目が変わってからの後半は、ほぼ予想通りに進展しほぼ予想通りのクライマックスを迎えるため、前半でためた高揚感のやり場に困る。最初からそいつが怪しいと分かりきっていたけどまさか本当にそいつがということはないよなと思わせておいて実はまさかそのまんまその通りそいつかよ何だよそれ、というがっかり感をどうしてくれよう。

出演者たちが結構いい仕事をしてくれているのに、それを生かしきれていない感じがする。

推奨度: 45点(/100)