ちっとも現実味の感じられない急な訃報というものに接し、呆然としている。「白骨の御文」がすぐさま頭に浮かぶも、あまりにも急すぎる話でまるで胸に迫ってこない。

そういうことも含めての「白骨の御文」だったのだと気づかされるばかりである。「我やさき、人やさき、きょうともしらず、あすともしらず」とさんざん聞いてきたはずが、この耳は全く聞いていなかったのだと思い知らされる。この人はまだだろう、私もまだかな、あの人はそろそろ、などと勝手に思っているのである。

南無阿弥陀仏