マーティン・スコセッシ (Martin Scorsese) 監督『沈黙 サイレンス』 (Silence) アメリカ、2016年

〔2017年1月23日(月)鑑賞〕

遠藤周作の名著がスコセッシ監督の目に留まり、二十数年の紆余曲折の末に映像化されたことで、宗教的問いかけは明確かつ重いものとなった。

最初から最後まで、日本人の映画監督なら絶対にこういうふうには撮れなかっただろうと思う画だらけだった。日本人の監督なら、こんなふうに「沈黙」の意味を読み解くことができなかっただろうし、こういう場面では仰々しいBGMを入れて白けさせてくれたに違いない、などと思いながら見ていた。何より、日本の映画人なんぞが信仰の問題をまともに解釈できるとは思えない。

答えも結論もない作品である。そして、各人の信仰のいかんにかかわらず、見ておくべき映画だと考える。

推奨度: 95点(/100)