昨日のNHK大河ドラマ「光る君へ」は、第3回「謎の男」でありました。

今回は『源氏物語』の「雨夜の品定め」よろしく、宿直とのゐの男たちが女性の品評をする場面が出てきましたね。もっとも「雨夜の品定め」とは違って雨の夜ではなかったようですけども。また、女たちからもらった文を男が仲間内で見せびらかしたりしていたのは、あれはあの時代には普通のことで、女たちの側でも同じようなことをしていましたから、別にあの男たちがひどいわけではないということは付け加えておきます。ええ、そんなふうだから色恋の噂が瞬く間に都を駆けめぐったのが、平安中期の貴族社会というものです。

さて、物語の展開はといいますと、10代半ばの紫式部が何をしていたのかという記録はほとんどありませんから、当然フィクションでつなぐのですが、そこのところがまた練り練りに練られたすごい脚本になっていて感服します。紫式部は源倫子に一時期仕えていたのではないか、そしてその縁でのちに倫子が産んだ中宮彰子にも仕えることになったのではないか、という説が最近あるらしいので、それを織り込んだということになるのでしょう。しかも、まひろ(紫式部)が倫子の所へうかがう理由付けが、なかなかうまい筋書きになっています。

倫子はまだ独身なので彰子を産んでいない一方、彰子の将来のライバルとなる藤原定子はすでに登場しています。第1回では祖父の藤原兼家に抱っこされて泣いている赤ちゃんでしたが、あれから6年たっているので、今回の登場では数え7つの女児になっていましたね。遊んでいる定子が転んで立ち上がる場面での母親の言葉、そしてそこに円融天皇から疎まれている詮子も居合わせているというあの情景には、のちのちのことを知っていると哀しくなるやら背筋が寒くなるやら。

いや本当にすごい脚本ですよ、これ。あらゆる糸が無駄なくどこかからつながり、どこかにつながっているのです。前にも書きましたが、もうすでに大河ドラマ史上最高傑作と評価して問題ないでしょう。