小山芳立

昔っからさんざん言われているにもかかわらず、いまだに変な荷物を預かってきて空港で引っかかる人が絶えないようです。包みの中身がそんなものとは知らなかったぁ、ただの民芸品だと思っていたのにそんなものが仕込まれているとは知らなかったぁ、では済まされませんからね。

ところで、この手の話といえば昨秋、とある文化人類学者がTwitterでずいぶんたわけたことを抜かしていたことがありました。怒涛の反響を受けてさすがに恥ずかしくなったのか関連ツイートを全削除しているようですが、アーカイヴが取られていまして──

要するに、日本人は自分の頭で考えて判断しようとしない愚か者ばかりだから、他人の荷物を預かってはいけないという忠告を律儀に守りやがって、怪しい者でもなんでもない私が荷物を預かってくれと頼んでも誰も引き受けてくれなかった、と文句を垂れているわけです。

いちいち言うのも馬鹿らしいですが、この人の言い分は一点の曇りもなく百パーセント間違っています。

繰り返しますが、違法薬物の運び屋をやってしまったら、知らなかったぁでは済みません。10年以下の懲役もしくは3千万円以下の罰金（関税法第109条）に処せられます。海外なら国によっては死刑ですね。