という具合にみんなトウの場面に目が行っていますが、今回の肝は歩き巫女の「天命に逆らうな」でしょう。

トウの場面も「天命」というキーワードで読み解くことができます。暗殺者として育てられたトウは血塗られた日陰者ですが、彼女自身、歴史の中で天命を与えられた名もなき一人の人間であることを自覚しています。

歴史は決して、歴史の表舞台に名を残している者たちのみによって作られたのではなく、懸命に生きる一人一人によって織り成されたものなのだという、そんなメッセージを三谷幸喜氏が表現しているのだと、私は受け止めました。

そして、いうまでもなく、北条政子にはその後の歴史的な役割があります。