近頃は32年ぶりの円安水準ということで、日経なんかがワーキャー騒いでいますけれども、32年前(1990年、平成2年)といえばバブルに沸いていた時代ではありませんか。そう、日経なんかが円高だこれはまずいと騒いでいて、産業が国外へ出ていってしまった、あの時代ですよ。

もちろん、世界の状況も時代背景も異なるので簡単に比較することはできないにせよ、32年前に円高と言われていたレートが、現在円安と言われているのと同じレートなのです。確かに昨今の価格高騰は痛いですが、中長期的には日本にめぐってきた千載一遇のチャンスかもしれないわけです。日本が「世界の工場」になるのは1年や2年では無理なので、にわかに現実味はないのですが、それにしても何らかの大きなチャンスではあり得るでしょう。

もっとも、チャンスをものにするためには、無能な政府があらゆる状況を踏まえた上で様々な選択肢について十分に慎重な検討を重ねているだけでは駄目なのでして──。