[宅配業者の]営業所に[熊本への]支援物資を持ち込み、職員に「受け取れない」と言われると憤慨。職員といざこざになってしまう例が本部に報告されている、という。

“善意”の人々は熊本の被災地の道路を、黒猫や飛脚のトラックで渋滞させたいのでしょうか。配給がままならず支援物資が山積みになっている基地へ、さらに中身の不明な小口の荷物を大量に送り付けて混乱を悪化させたいのでしょうか。

宅配便業務は一部再開してはいますが、とはいえ、個人が“善意”でみだりに物を送らないほうがいいことに変わりはありません。熊本市も公式に、当面の間は個人による支援物資の配送はやめてくれ、と言っています(19日現在)。変なことをすると、かえって現場を混乱させ、被災地の負担を増やすだけです。

支援物資が足りないという話が現地から伝わってくるのは、物資の配給がうまくいっていないという意味であって、みだりによそからもっと送り込んでもらいたいという意味ではありません。物流の邪魔をせず、自衛隊等とも調整しながら、自前のヘリでピンポイント輸送をしている高須克弥氏のような例はあくまでも別格であり、あなたや私のような分際で余計な真似をしてはいけません。

また、被災地に直接送るのではなく周辺の自治体に送れば受け付けてもらえる、というデマもSNSで広まっているようです。しかし、目下、一部例外を除き、そういうものを受け付けている自治体はありません。とにかく、こういうときは基本的にSNSの情報なんてあてにならないものだと考え、それらしい話が流れてきたらまず裏を取ることが必要でしょう。