そろそろ日本も本当に新型コロナウイルス禍の出口戦略を進めなければなりません。もはや検討などと言っている場合ではありません。

前から言っていますが、現在海外旅行をする上で一番の障壁となっているのは、渡航先の国々の規制ではなく、帰国する際の日本のおかしな規制です。諸外国はかなり新型コロナ絡みの入国規制を緩和してきているのですが、日本はなぜか入国規制を厳しくすると内閣支持率が上がるという不思議な状態が続いてきており、岸田〈ワイドショー内閣〉政権が緩和に積極的でなく、徐々に緩和しつつあるとはいえ不十分です。感染症の水際対策を強化するのは、初期段階や危険な変異株の発生時であって、今はせっせと規制を強めるべき時ではありません。

さて、その日本入国(帰国)の際のおかしな規制とはどういうものかといいますと、出発地がどこなのかにもよりますが、21日現在、隔離なしになるためには概ね検疫で次の条件を満たすこととなっています:

  • ワクチン3回接種証明書(ワクチン・パスポート)の提示。
  • 現地出発前72時間以内の検体採取による陰性証明書の提出。
  • 到着時の抗原検査結果が陰性。
  • 指定のスマホアプリをインストール。

何だ、ずいぶん緩和されているな、と思うかもしれません。確かに問答無用で2週間隔離だった頃に比べれば緩和されています。しかし、これでも気軽に旅行できる状況ではありません。

まず、現地出発前72時間以内の陰性証明書を取るには、現地の医療機関とのやりとりが必要になるため、ちょいと厄介です。また、原則的に厚労省の指定するフォーマットか、それに準ずる内容の書類でないといけないのですが、これがいかにも日本の役所仕事らしい馬鹿げたところで、ちょっとした用語の違い程度のことで出発地に強制送還されるというふざけた話です。

到着時の抗原検査も甚だ評判が悪いですね。結果が出るまで1〜2時間、混雑時には3時間以上、ひどければ半日も待たされ、その間は入国審査にも進めず空港内の何もない待機場所に缶詰めだとか。

これでは何のために急いでワクチンを打ちまくったのかが分かりません。ワクチン・パスポートがあって、症状が出ていなかったら、すんなりと通すべきです(もちろん妙な変異株が出てきた時であれば話が違いますが)。