昨日、衆議院が解散された。衆院選は19日公示、31日投開票で実施されることになった。

不健全な一強状態による与党専横を避けるため、野党はたとえどんなに無能であっても国会各院の議席の半数近くを維持すべきだと、かつて私は思っていた。しかし、ここ数年で私の考えはすっかり変わった。特に昨年からの新型コロナウイルス禍への野党の対応や、今年8月のアフガニスタン政権崩壊の際の野党の言動によって、それは決定的になった。

野党どもがただ単に無能なら、それはそれでかまわない。いくら彼らが無能であっても、与党の専横を許さないという機能を果たしてくれるぶんには、彼らが国会に議席を持つことには意味がある。しかしながら、今の野党は単に無能な連中ということではなく、与党の専横を抑える役目を果たしているともいえず、政府が政治を行うことをひたすら妨害し続けているだけの勢力にすぎない。明らかに反国家的かつ反国民的な勢力に成り下がっている。

政府が低所得層に給付金を支給すると言えば、全国民一律支給にしないとはけしからんと喚く。そのくせ政府が一律支給に方針を変えたとなるや、方針を変えるとはけしからんと喚く。野党どもはそんなものだ。さらに、政府が新型コロナ対策のため予備費10兆円の補正予算を組もうとしたら、高すぎると文句を言ってきたのは何を隠そう野党どもである。政府が政治を行うことをひたすら妨害し続けているだけの勢力にすぎない。明らかに反国家的かつ反国民的な勢力に成り下がっている。

新型コロナのワクチンは安全性に疑問がある、十分な治験が必要だなどと言っていた野党どもが、ふと気づいたらいつの間にか、ワクチン接種の進捗が遅いと政府をなじっていたのだから、全くたまげたものだ。かと思えば、政府はワクチンに頼りすぎだなどと意味不明な批判を吐き、そのくせ自分たち自身は当然しっかり接種を受けている。今年の春先には何年かかるやらと言われていたワクチン接種が、年内でほぼ完了する目処が立ったというのに、菅内閣の新型コロナ対策は大失敗だといつまでも罵り続けている。もはや野党どもには恥もなにもあったものではない。政府が政治を行うことをひたすら妨害し続けているだけの勢力にすぎない。明らかに反国家的かつ反国民的な勢力に成り下がっている。

安倍内閣と菅内閣の新型コロナ対策は大失敗だったと喧伝する野党どもが、ではどんなすばらしい新型コロナ対策を提案しているのかといえば、国民を片っ端からPCR検査にかけて陽性者をみな施設送りにし隔離を徹底しろなどと、らい予防法みたいな恐ろしいことをいまだに言い続けている。さらに、ロックダウンという違憲施策をやれやれと喚き立てる様は、立憲主義精神のかけらも感じられない。こんな者どもに権力を持たせることは、自民党一強の専横よりもはるかに危ない。彼らの正体は、政府が政治を行うことをひたすら妨害し続けているだけの勢力にすぎない。明らかに反国家的かつ反国民的な勢力に成り下がっている。

政府の新型コロナ対策が完璧だとは私も思わない。それでも、未曾有の国難に際してかなりよくやってきているほうだと思う。点数をつければ60点から70点だろう。ワクチンに関してのみいえばほぼ満点だ。一方、野党どもの言ってきたことやってきたことといったら、点数の付けようもない。

さて、この1年半、新型コロナ絡みだけでも野党どもにはうんざりさせられてきたが、この夏にはそこに輪をかけてとんでもないものを見せられた。何と、アフガニスタン情勢の悪化に伴い、在留邦人等の救援のため自衛隊の輸送機が派遣されたことに、野党どもが非難を始めたのだ。さらにはタリバン政権を承認しろなどと抜かしやがった。さすがにこれには私も怒るというより呆然とするばかりだった。要するに、海外有事の際の在外邦人の処遇についての野党どもの方針は、棄民なのである。彼らは、自分たちが政府に難癖をつけることさえできるのであれば、国民の生命と財産などどうでもいいと思っている。こんなのは政治家でもなんでもない。明らかに反国家的かつ反国民的な勢力に成り下がっている。

岸田首相は、きたるべき衆院選で自民党の単独過半数(233議席)を目指すと言っていた。甘い。そんなのは甘すぎる。絶対安定多数すなわち261議席は譲れない線だ。つまり、自民党は現有議席数から最大でも15議席しか減らしてはならない。

と、ここまで長々とさんざん野党どもをぶったたいてきて、最後にこんなことを言うのもおかしいと思われるかもしれないが、野党にも一応例外はある。もともと関西のローカル政党だったのが国政に進出した某党とか、烏合の衆としか思えない上にすでに選挙公示前から党と党が内ゲバを起こしている野党共闘へは加わらず一線を画す意思を示した某党とかは、少数派ながらそれなりに野党らしい野党として光っている。彼らが議席数を増やしてくれるぶんには、私も悪いことだと思わない。もし私が比例区で野党に投票するとすれば、これら2党のいずれかしかない。

とにもかくにも、このたびの衆院選は反国家的かつ反国民的な勢力を国会から排除するための戦いとしなければならない。