平成に昭和だった脳は令和にやっと平成
僧侶の研修会でもzoomの導入が協議されたが60代以上の僧侶より「使い方がわからない」の声が多数で却下された。その事を役所に勤めておられた80代の檀家さんに話すと、「使い方がわからないからで済むんですねぇ。私らなんか定年間近にパソコン覚えましたけどね。」と言われ、返す言葉がなかった。
— 大貫 (@o_nuk_i) February 17, 2021
これをツイートしたのは臨済宗の僧侶の方らしいが、恐らくどこの宗派でも事情は似たり寄ったりだろう。わが真宗大谷派においては若手の方々が中心になって、頑張って試行錯誤しているようだとはいえ、年配者の意識がどこまで付いてきているのかはよく分からない。
さて、私がリアルでは昔から何度も話していることなので、知人たちにとっては耳たこの話だと思われるが、いい機会なのでネットでもかましておきたい。
私が初めて本山へ上山研修に行った折のことである。最終日に京都を離れる前に自由時間があったので、私は境内の売店へ立ち寄った。仏教讃歌のCDが欲しかったのだ。売店の案内にいた僧侶の方にその旨を告げると、実に驚くべき答えが返ってきた:
「カセットテープしかありません」─。
時に2000年のことであった。皇紀2000年ではない。西暦2000年である。昭和もずいぶん前に終わって平成12年だ。私はすでにカセットテープを再生できる満足な機材を持ち合わせていなかったため、仕方なく手ぶらで帰った。
若い人たちは時代感覚がちょっと分かりにくいだろうから、簡単に説明すると、アナログレコードがCDにほぼ取って代わられたのが、1990年ごろすなわち平成の初めごろであった。カセットテープというのは、アナログレコードから録音してラジカセやカーオーディオなどで再生するために使われていた媒体であり、CDの時代になってからはほぼ無用となったものである。繰り返すが、私の上山研修は2000年だ。
もっと分かりやすく今風に、今の事実を言おう。2021年すなわち令和3年2月現在、少なくとも真宗大谷派の機関が販売・頒布している仏教讃歌コンテンツは Apple Music や Google Play で入手することができない。CDを買わなければならない。アホか。