いわゆるモリカケ問題では、野党と報道媒体がいくら騒いでも、安倍前首相とその妻の昭恵氏が何か悪事をはたらいていたことを証明する材料は全く出てこなかった。そして、モリカケの「モリ」のほうすなわち森友学園問題に関して、むしろ同夫妻が土地取引に関与していなかったと積極的に判断してもよい材料がついに昨夕出てきた。

森友学園をめぐる一連の問題で決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した男性の上司が国有地の値引き売却や改ざんの経緯について男性の妻に説明した音声データを妻の弁護士が報道機関に公開しました。

その内容を端的に言うと、近畿財務局は野党からの執拗な追及にまともに対応している暇などなかったため、「少しでも野党から突っ込まれるようなことを消したいということで」決済文書を改竄した、ということである。

近年ほとんどの野党が悪質なクレーマーに等しいゴミ集団であることは事実に相違ないが、しかしだからといって、野党の執拗な揚げ足取りや言いがかりを避けるためというのが公文書改竄を正当化する理由になどなり得ないのはもちろんだ。ただ、ここでのポイントは、あくまでも近畿財務局が野党の粘着的追及を避けるために決済文書を改竄したのであって、官邸や財務省からの指示があったわけではなく、官邸や財務省への忖度があったわけでもない、ということである。

問題の土地取引や決済文書改竄に安倍氏夫妻の関与がなかった旨は、故・赤木氏の上司から明確な発言がなされている。

[土地売却に関し]国会で大きな議論になった政治家の影響については「僕は安倍さんとか鴻池さんとかから声がかかっていたら正直売るのはやめていると思います。だからあの人らに言われて減額するようなことは一切ないです」と否定していました。 ─(略)─ 「[決済文書の改竄は]少しでも野党から突っ込まれるようなことを消したいということでやりました。改ざんなんかやる必要もなかったし、やるべきではない。全く必要ないと思っていました。ただ追い詰められた状況の中で少しでも作業量を減らすためにやった。何かそんたくみたいなのがあるみたいなことで消すのであれば絶対消さないです」と釈明していました。
[同]

忘れている人も多いだろうから記憶喚起のため記しておくと、改竄前の決済文書に書かれてあった安倍昭恵氏の〈関与〉とは、問題の土地を視察した際に「いい土地ですから、前に進めてください」と言った、というただそれだけのことだ。価格など詳細についてあれこれ言ったわけではない。こういうのを一般的には土地取引への関与とは言わないだろう。まさに「改ざんなんかやる必要もなかった」のである。

野党や報道媒体は火のない所に水煙を立てまくって、実に3年もの長期に渡り国会運営を遅滞させ、膨大な時間と経費を浪費した。一体どう落とし前をつけるつもりなのかと思ったら、何と、まだ再調査をしろ喚いているらしい。自分たちに都合のいい材料が出てくるまで再調査をしろ、という意味なのだろう。近年ほとんどの野党が悪質なクレーマーに等しいゴミ集団であることは事実に相違ない、と先に書いたが、ゴミ以下かもしれない。

とまれ、ケース・クローズドである。これまでは〈森友学園の土地取引に安倍氏夫妻が関与したことを示す材料がない〉という状態だったのだが、〈森友学園の土地取引に安倍氏夫妻が関与しなかったことを示す材料がある〉に変わったのである。分かりやすくいえば〈クロとする証拠が全くない〉から〈シロとする証拠らしきものがある〉へと変わったのである。この変化の意味が分からない人は、いつまでも某紙の「声」欄あたりで騒いだりすればいいだろうが、もう永田町には持ち込まないでもらいたい。

ついでだから、モリカケ問題のもう片方すなわち加計学園問題のことも少し。あれはそれこそ、安倍氏と加計氏が友達であるという事実だけから妄想を展開する企みであって、これをネタにした某映画では学園に極秘の生物化学兵器研究所が造られるとかいう壮大なSFに発展させてバカデミー賞か何かを総なめにしたらしいが、どいつもこいつもいい加減にしろよと言いたい。