13年前、安倍首相が第1次内閣発足早々に健康上の理由から辞任した時、首相の職は国家国民のため血反吐を吐いてもやるべきものだと言い放ったのは、私の記憶が確かであれば、民主党幹事長(当時)の鳩山氏だった。

今月に入って安倍首相の健康不安が取り沙汰されるようになると、野党どもは説明しろと言いだした。立憲民主党国対委員長の安住氏は、安倍首相は病気ならいったん任を離れて臨時代行を置くなどしろと言い放った。ほほう、首相の職は国家国民のため血反吐を吐いてもやるべきものではなくなったらしい。

昨夕、安倍首相は記者会見で辞意を明らかにした。いまだに分かっていない人が多くてあきれるのだが、潰瘍性大腸炎というのは単なる腹痛ではなくて指定の難病である。首相の辞意という情報が出回ると、会見に先立って、立憲民主党の石垣のりこ参院議員がこんなことを言い放った:

ほほう、首相の職は国家国民のため血反吐を吐いてもやるべきものではなく、病気ならいったん任を離れて臨時代行を置くなどすべきものであるが、そもそも「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」が首相になるのは問題だということらしい。石垣氏が病気でたおれたりしたとき、「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」と言われることになるのではないかと、いささか心配だ。

こういうのは、ナントカは一匹見かけたら百匹いると思えという話と同じで、石垣氏一人の問題ではないだろう。野党根性はここまで腐っているのだ。正直、誰しも「こんな大事なときに病気になりやがって」と内心ちょいとばかり思ってしまうようなことはあるだろうが、それを表に出すか出さないかというのは天地ほどの違いがある。

悪いことは何でもかんでも安倍のせいだと噴き上がり、安倍首相が天ぷらを食べたことにまでいちいちケチをつけて安倍はやめろ安倍はやめろと喚き続け、モリカケでは証拠はないけど安倍は悪いことをしているに違いないから安倍は証拠を出せ安倍はやめろ安倍はやめろとキチガイじみた騒ぎを続け、最近では安倍以外の首相なら誰でもいいから安倍はやめろ安倍はやめろとまでほざいていた「こんな人たち」の望み通り、ついに安倍首相が辞任することになった。「こんな人たち」の言説が正しかったのだとすれば、安倍首相の退陣により諸問題がたちまちのうちに解決し、バラ色の日本が実現するのだろう。すばらしいことだ。

まともな頭の持ち主たちは今、次の首相を誰が務めるべきかと考えながらため息をついているところなのだが。