〈新しい感染症〉といえば多少なりとも警戒すべき事柄ではあるのですが、そこから派生する現象には馬鹿馬鹿しいものもあったりします。

さて、新型コロナウイルス関連の本来の情報に戻ってみますと、しかしやはり半分馬鹿馬鹿しい事態もあったりしますね。もちろん半分は深刻なことなのですが。宮崎県で初確認された感染者の件です。

[宮崎]県、[宮崎]市によると、男性は2月20~26日(現地時間)、妻と旅行で米ロサンゼルスに滞在。同27日に帰国し、羽田空港から宮崎空港まで空路で移動した。同空港から宮崎市内の自宅まで、タクシーを利用。移動中はマスクを着用していたという。
「新型肺炎宮崎県内初確認 宮崎市70代男性」 << 「宮崎日日新聞 Miyanichi e-press」]

先に愛知の方がハワイにわずか11日間滞在したのち発症したのに続き、今回の宮崎の方はロサンゼルスにわずか7日間滞在したあとの発症です。〈まだ感染者が少ない国〉に行って罹患してくる確率の低さを想像してみれば、かなり異常なことといえます。

特にこの宮崎の方は、日本に帰ったら新型コロナウイルスに気をつけなければいけないという意識があったのでしょう、宮崎空港から自宅までマスクを着けてタクシーを使うという気の遣いようです。しかし、残念ながらそれは結果的には無駄でした。なぜなら、すでにアメリカで罹患していたからです。

先日から言っている通り、アメリカではろくに検査・調査が行われていないから数字が出ないだけで、実態は推して知るべしです。ハワイなんか、春節の時期には日本ほどではないにせよ中国人観光客がわんさかやって来ていますし、感染者ゼロだと言い張っているのですが、現地ではそんなわけはないだろうという空気のようです。確か昨日か一昨日かにようやくCDCの検査キットがハワイに届いたそうなので、これからいろいろ出てくることでしょう。

アメリカ政府が日本を含む国々への渡航に注意を促したりしていますが、彼らは他国のことを言うより自国のことを心配すべきなのですよ。今、本土でようやく〈始まった〉ところであるにすぎません。私に言わせれば、今の時期、むしろ日本からアメリカ(ハワイ等を含む)へ行く人のほうが気をつけないといけませんよ。

では、今日も手洗い励行でいきましょう。