自分が悩んでいることのほとんどは、何千年も前から多くの人たちが悩んできたことで、図書館にはそれが蓄積されている。そこに答えは見つからなくても、前に進むための新たな問いやヒントは必ずある。それを手繰り寄せる楽しみはある。

読書の意義というものをそういうふうに教えてくれる大人は、子供の頃の私の周りには一人もいなかったなぁ。小学校の教諭なんか「たくさん本を読みましょう」しか言わなくて、ナントカ帳に変なシールを貼らせて読書を急かしたりするだけだった。

「走れメロス」を読んで「美しい友情に感動しました」という読書感想文を書けるようになるために、本を読むのではない。むしろこういうものを書けるようになるためだろう。

学校がつらい子は、保健室よりも図書館へ。いや、つらくない子も。