今月1日に起きたこの事件、少なくとも私が観測している限りでは加害者(父親)に同情的な声しか出てこない。私も責める気がしない。というのも、報道されている内容について、より具体的なことがネットで簡単に分かってしまうからだ。

なにより、被害者のTwitterアカウント(@hiromi_kanzaki)などが明らかになっているということが大きい。

エルガイムなんとかっての、私は知らなかったのだが、アニメのロボか何かのフィギュアだそうだ。

「クレカ」とはもちろん被害者本人のものではなく、加害者(父親)名義のクレジットカードのことである。

44歳、ニート、日常的に親に暴力を振るい、オンライン・ゲームに親名義のクレジットカードで月30万円以上を使い、近所とのトラブルも絶えず、最近は近隣の小学校の児童にも危害を及ぼしかねない状態──そんな息子に悩まされているとき、川崎の事件なんかが起きたりすれば、親としては最後の堤が決壊してしまうというのも、倫理的あるいは法律的な議論はともかく心情的には分からなくはない。

親が息子を手に掛けるというのが決して最善の策ではないとは頭では分かりつつも、ではこういう場合はどうすればいいのかというと、現時点では措置入院の対象にはならないだろうし、ほかに打つ手はあるのだろうか。