その日は土曜日だった。土曜日には履修しなければならない授業があり、それだけのために土曜日にわざわざ大学へ行かなければならなかったから、よく覚えている。

朝、出がけにちらっと見たテレビで、宮内庁が間もなく何かを発表しそうだとか言っていたが、時間がないのですぐ家を出た。モバイル・デバイスなんてなかった時代だから、電車の中で情報を得ることはできなかった。

大学の最寄駅で電車を降り、改札を出ると、目の前の国道を都バスが弔旗を掛けて走り抜けていった。

──ああ、その時が来たか。

その日で昭和が終わることを知った瞬間だった。

あれから30年余りがたち、平成も今日で終わる。平成の終わりかたは、穏やかで明るく、今上陛下らしい幕の閉じられかただと感じる。

陛下におかれましては、長年のご公務、まことにお疲れさまでした。