暴徒たちが一般市民の車をひっくり返して火を放ち、街の建造物を破壊し、高級ブランド店に侵入して略奪をはたらく。そんな暴動が長期化して、怯んだ為政者が政策の変更を表明する──。

実に野蛮で非文明的な様相としかいいようがなく、民主制が健全に機能していない状態なのであるが、カツドーカたちに言わせると、あれは〈民主主義が健全に機能している状態〉なのだという。

民主制において、政策の変更はしかるべき手続きを踏むべきものではないのか。もちろんデモも表現の自由の行使として認められるのが民主制であるが、破壊や略奪は表現の自由の範疇なのか。例えば、政治が気に入らないからという、理由にもなっていない理由で、私が近所の店を破壊し物を盗んだりしたら、それは〈民主主義が健全に機能している状態〉なのか。ハロウィーンに渋谷で暴れ軽トラをひっくり返した連中も、口々に「アベ政治を許さない」とでも叫んでいれば〈民主主義が健全に機能している状態〉になるのか。

そして、そんな暴動を鎮圧することができないどころか、怯んで政策を変えるなどという統治機能の欠如を呈するのが、民主制国家のまともな姿なのであろうか。

しかも、あんな野蛮で非文明的な様相を〈民主主義が健全に機能している状態〉などと言って暴力を肯定している者たちに限って、ふだんは「憲法9条を守れ」とか平和的なことを言っているのだから、片腹痛いどころの話ではない。

全くもってカツドーカは信用できない。彼らに力を持たせたら、移動式ギロチンが全国を巡回することになるだろう。