JAXAの昨日の記者会見で「[「あかつき」は]金星の衛星になりました」という言葉を聞いた時、私はそれをとても詩的だと感じました。いや、詩そのものであると。5年前の「私はまだ船を下りていませんよ」という名言も思い出されます。

2010年の失敗の折には、次は6年後と聞いていたはずなのですが、何がどうなったのやら実際は5年後に再投入が行われ、成功を収めました。

衛星とはいっても、遠金点高度44万km、近金点高度400kmという、かなり細長い楕円軌道だそうですから、ハレー彗星みたいな回り方ですね。

金星はほかの惑星と違って自転方向が逆(公転軌道を反時計回りと見た場合、自転方向が時計回り)という珍しい天体なのですが、その金星の自転と同じ方向で「あかつき」は周回しているそうです。

報道によれば「あかつき」はすでに、今までに例がないほど繊細な画像を送ってきているとのこと。これからの仕事ぶりも楽しみです。

金星探査機「あかつき」のバランス・ウェイトにプリントされている初音ミクの絵の一つ。「ピアプロ」より

そして、やはり「あかつき」といえば、初音ミクが乗っているということを忘れてはいけません(笑)。宵の明星、明けの明星を見るときに、あの星の周りを初音ミクがめぐっていることに思いを馳せるのもなかなか乙なものではないでしょうか。