この手の動画はありきたりなものが多いのですが、個人的にこれには気づきがありましたので。

日本語のこういうちょっとしたニュアンスを英語で言いたいときはどうしたらいいのかよく分からない、という例がいろいろあるのですけど、この動画を見ていくつか氷解しました。というか、そういうニュアンスは英語では表現できないことが多いということで(笑)

特に、12分20秒あたりから始まる「─してくれる」「─してもらう」の話。もちろん英語に使役動詞というものがあることは中学・高校の授業でも教わりますが、使役動詞では「─させる」「─される」「─してくれる」「─してもらう」のはっきりした区別がありませんし、「─してくれる」「─してもらう」に表れるちょっとした感謝や謙虚さが出てこないのですよね。例えば “I had my hair cut.” という文は、日本語でいう「私の髪を切らせた」「─切られた」「─切ってくれた」「─切ってもらった」が一緒になってしまっているのです。

動画で挙げられている例でいうと、日本語の「あした来てくれるの?」に該当する英語表現がなくて “Are you coming tomorrow?” (あした来ますか?)にしかならないのですね。今まで「─してくれる」を英語どう表現するのかずっと分からなかったのですが、表現自体がないということです。「─してくれる」をあえて無理に英語にしようとすると、最後に “for me” を付けるしかなく、しかしそれではかえって変になってしまいます。