いやいや、問題の根本はそんな難しい話ではないのですよ。そもそも日本人の多くが基本的なところで勘違いしているというのが問題の根本にあるのです。こういうことは学校の社会科の授業でちゃんと教えるべきなのですが。

年次有給休暇について、〈従業員が会社側に申請し、許可を得て取得するもの〉だと勘違いしている人が圧倒的に多いのですよね。

前からたびたび述べていますが、有給休暇の取得は〈申請する〉必要はありません。〈届けを出す〉だけです。「◯月◯日に有給休暇を取らせてください」と申請するのではなく「◯月◯日に有給休暇を取りますのでよろしくお願いします」と届けを出すだけです。なぜなら、有給休暇は労働者の当然の権利として法律で定められているからです。会社側には、有給休暇の取得を拒否する権利はなく、むしろ取得させる義務があります。

「お前の会社はいいよな。うちの会社、有給休暇なんか取れないよ」などと言う奴が私の友人にも昔いましたが、そんなのは嘘です。この国には、少なくとも正社員に関しては、有給休暇の取れない会社など存在しません。「有給休暇が取れない」と言っている人のほぼすべては〈取れない〉のではなく、自分が〈取らない〉だけです。

強いていえば、会社側には時季変更権というのがありますけど、濫用は許されません。「3カ月後に休みを取りたい? そんな先のことなんか分からないから許可できないよ」というのは正当な時季変更権とはいえません。

詳しいことはその筋の専門の方に聞いてみてください。