許されるレベルの問題ではない スピリチュアル
※ 「gooニュース」 >> 「〈フジテレビ〉 『霊視は荒唐無稽』 江原啓之さん出演番組、制作の誤り認める」
非科学的なものを題材にした娯楽が即、悪いものだと私は思っていない。非科学的な要素を排除してしまったら、ホラーやファンタジーなどの小説や映画はすべて成り立たなくなってしまう。宮部みゆき氏の小説『ブレイブ・ストーリー』も、映画『ライラの冒険』も、すべていけないということになってしまう。
しかし、いわゆる「スピリチュアル」や、それを主軸にしたテレビ番組の濫立は、もはや許容される範囲ではないだろう。上記リンク先にもある通り、「バラエティー番組だから許されるレベルの問題ではない」のである。
霊感商法詐欺被害が後を絶たないという実情、あるいは、いじめを苦にした子どもが「生まれ変わったら最強の競走馬になりたい」などと遺書を残して自殺するような事件。そういった社会現象の下地には、スピリチュアルの流行が無関係とはいえないのではないか。 「『おもしろさ』『わかりやすさ』をよりどころとし、出演者の生活への影響を考えていない」[同]番組制作方針は、決して良いものではあるまい。
スピリチュアル・カウンセラーなる胡散臭い肩書きを自称する者が、「あなたの前世は孤独な一生だったため、今の人生では愛に飢えている」などと言うと、ゲストの芸能人がそれを聞きながら、ウンウンうなずいてボロボロ涙を流す。まるで新興宗教の教祖さまのご神託をありがたく拝聴する狂信者そのものである。こんな茶番が公共の電波で垂れ流されている。
ゲスト出演する芸能人はしょせん、真剣にカウンセリングを受けているのではない。あくまでも“番組制作の上で自分に求められているキャラ”をカメラの前で演じているにすぎない。しかし、多くの視聴者にはそのことが伝わらない。そこが危ないのだ。
人間は誰しもどこかで孤独を抱えているものだろうし、どこかで愛に飢えているものだろう。人間のそういう根源的な弱味に付け込んで、霊だの前世だのという話を吹き込み、あなたはこういう人間だと断定し、あなたの今までの人生は間違っていると決めつけ、あなたは今後こう生きなければならないと規定する。そんなものがカウンセリングであるはずがない。ましてや、電波で盛んに垂れ流すべきものではない。
本当のカウンセリングとは(あるいは宗教もそうだが)、“孤独で愛に飢えている自分”という位置、すなわち人間として立つべき位置に、しっかりと立つ力を与えるべきものではないのか。

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